カテゴリー: 健康

  • 気管支喘息は成長とともに治る?〜小児喘息の緩解と再発リスクを薬剤師が解説〜

    結論から言うと、気管支喘息は成長とともに症状が落ち着いてくるケースが多い病気です。

    特に小児期に発症する喘息では、思春期前後から成人にかけて症状が軽くなったり、発作がほとんど出なくなったりする方も少なくありません。

    ただし、すべての人が必ず治るわけではなく、再発する可能性もあるため、正しい知識を持って付き合っていくことが大切です。

    今回は「なぜ小児喘息は成長とともに落ち着くことがあるのか」「どんな気管支喘息が緩解しやすいのか」「再発リスクはあるのか」を中心に解説します。

    気管支喘息には、子どもに多いタイプや成人に多いタイプ、薬や運動などの外的要因がきっかけで起こるタイプなど、さまざまな種類があります。

    【1】アトピー型喘息

    ・IgE抗体が関与するアレルギー反応から症状が現れる喘息

    ・ダニ、ハウスダスト、花粉などが原因

    ・小児喘息の多くがこのタイプ

    ・アトピー素因などアレルギー体質の人に多い

    【2】非アトピー型喘息

    ・IgEが関与せず、アレルギー以外の要因が引き金となる

    ・感染、冷気、煙、ストレスなどが誘因

    ・小児期に発症することは比較的少なく、成人発症が多い

    【3】小児喘息

    ・小児喘息とは「小児期に発症した気管支喘息」の総称

    ・小児喘息の中でも約7~9割がアトピー型喘息であり、これが今回のテーマの中心

    ・成長とともに緩解しやすい特徴がある

    【4】咳喘息

    ・咳のみが続き、喘鳴がない

    ・成人に多い

    ・気管支拡張薬により咳症状が改善する

    ・放置すると典型的な気管支喘息へ移行するリスクがある

    【5】アスピリン喘息

    アスピリン喘息は症状が重く、命に関わる危険性もあるので、症状が重いと感じたら医療機関へ連絡するか、救急車を呼んでください。

    アスピリン喘息の既往がある方は、アスピリン(バイアスピリン含む)やNSAIDsは禁忌となります。

    ・解熱鎮痛薬(NSAIDs)で発作を起こす

    ・成人発症がほとんど

    ・小児ではまれ

    ・激しい喘息発作(呼吸困難、喘鳴、咳)と強い鼻症状(鼻づまり、鼻水)が数十分から数時間で現れる

    ・鼻ポリープや慢性副鼻腔炎を合併しやすい

    【6】運動誘発喘息

    ・運動後に咳や息切れが出る

    ・喘息の一症状として現れることが多い

    ・医師の指導のもと適切な治療を行えば運動することは可能

    ■小児喘息の発症時期

    まず、小児喘息患者は3歳までにその60%が、6歳までに90%が発症すると言われていますが、乳児期(0歳)で小児喘息と診断されることもあります。

    ■小児喘息が良くなる人の割合

    報告により差はありますが、約50〜70%が思春期〜成人までに症状が軽快または消失すると言われています。

    緩解後に医師の指示のもと治療を中断し、5年以上症状が出ない状態を一般的に「治癒」といい、これを目標に治療を続けることが大切です。

    ただし、症状が重い場合やアレルギー体質(アトピー素因)の傾向にある方は、成人になっても喘息症状がある場合が少なくありません。

    ■なぜ成長とともに良くなるのか?

    【1】 気管支が成長して太くなる

    子供の細い気管支に比べ、大人の太い気管支は少しの炎症では狭くなりにくく喘息症状が出にくくなります。

    【2】免疫バランスの変化

    成長とともに免疫系が成熟し、アレルゲンやウイルスに対する過剰反応が少なくなります。

    【3】感染に強くなる

    風邪などの感染症をきっかけにした喘息症状が悪化するケースは減少します。

    症状が落ち着いたあとや、成人後も再発の可能性はゼロではありません。

    ■再発のきっかけ

    ・強いストレスや疲労

    ・環境変化(引っ越し、職場)

    ・アレルゲン曝露

    ・喫煙・受動喫煙

    成長してから症状が落ち着いた後も、アレルゲンや誘引物質を避けることは大切です。

    ■体の成長や月経などに関係するホルモンの影響

    女性ホルモンの影響が強いとされる場合は、内科・アレルギー科と婦人科など複数の診療科が連携し、ホルモンバランスを考慮した治療が望ましい場合もあります。

    ・女性は月経周期や更年期の影響で喘息症状が出やすくなる

    ・妊娠はホルモン変化に加え、横隔膜への圧迫が呼吸を浅くし、喘息悪化のリスクがある

    ・男性ホルモンも喘息に影響があるとされるが、思春期以降は男性の方が有病率は低い

    ■高齢期の注意点

    ・免疫力低下から風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症が発作要因となる

    ・喘息とCOPDの鑑別が重要

    ・喫煙歴があるとCOPDリスクが上昇

    小児喘息は、成長とともに症状が落ち着いてくることが多い病気です。

    ただし、自然に治るだろうと自己判断で治療を中断してはいけません。

    自己判断で治療を中止してしまうと、自覚症状のない慢性的な炎症により、気道のリモデリングが起こることがあります。

    気道のリモデリングとは炎症のため気道が損傷し修復される過程を繰り返し、気道の壁が厚く硬くなり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなる不可逆的な変化です。

    これが起こると、喘息が重症化・難治化し、吸入ステロイド薬が効きにくくなることがあります。

    大切なのは、医師の指導のもと、吸入薬などの治療を継続することや、喘息の原因となるアレルゲンなどを可能な限り避けることです。

    不安なことがあれば、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しながら治療を続けていきましょう。

  • 気管支喘息とは?原因・症状・治療と生活で気をつけることを薬剤師が解説

    気管支喘息は薬による治療だけでなく、環境を整えることが大切な病気です。
    タバコの煙、ハウスダスト、カビ、ペット、気温や湿度、生活習慣など、日常生活の中に症状を悪化させる要因がたくさんあります。

    気管支喘息について投稿しようと思った理由は、患者さん本人、もしくは小児喘息の場合は保護者が予防することで、発作を少なくできる可能性があるとブログを読んでくれている方に伝えたかったからです。

    この記事では、薬剤師の立場から「気管支喘息とは何か」「なぜ起こるのか」「どう治療し、どう生活すればよいのか」をわかりやすく解説します。

    気管支喘息は、発作が起きたときだけ注意すればよい病気ではありません。
    症状がないように見える時期でも気道の炎症が続いており、日常生活のさまざまな場面に影響を与える慢性疾患です。

    ■ 主な症状

    気管支喘息でよくみられる症状には、以下のようなものがあります。

    • 喘鳴(ぜんめい)
       「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音を伴う呼吸
    • 息苦しさ・呼吸困難感
    • 咳(特に夜間・早朝に多い)

    これらの症状は、副交感神経が優位になる夜間〜明け方に悪化しやすく、症状が落ち着いている時期と悪化して発作を起こす時期を繰り返すという特徴があります。

    ■ 夜間・早朝の発作による睡眠への影響

    喘息発作は夜間から明け方に起こりやすく、咳や喘鳴で目が覚めてしまうことがあります。

    睡眠不足が続くと、日中の集中力低下から学校や仕事でのパフォーマンス低下や、疲れやすさや体調不良につながることもあり、生活の質(QOL)を下げる原因になります。

    ■ 学校・仕事・日常生活への影響

    症状が強い場合や、風邪などをきっかけに悪化するとこのような場面が生じることがあります。

    • 学校や仕事を欠席・早退する
    • 外出や旅行を控える
    • 人前で咳が止まらず不安を感じる

    特に小児では、体育の授業や運動会に参加できないことが精神的なストレスになることもあります。

    ■ 運動や活動の制限(QOLの低下)

    喘息が十分にコントロールされていないと活動量が制限されることがあります。

    • 運動中に息苦しくなる
    • 冷たい空気を吸うと咳が出る
    • 長時間走ることが難しい

    ただし、適切な治療でコントロールできていれば運動は原則可能です。
    「運動は禁止」ではなく、「発作を起こさないための準備と対策」が重要です。

    ■ 薬を継続して使う必要がある

    気管支喘息は、症状がない時期でも気道の炎症が続いている病気です。
    そのため、症状が落ち着いていて発作が出ていなくても吸入ステロイドなどの治療薬(コントローラー)を毎日継続することが重要になります。
    「苦しくないからやめる」→「再び悪化する」という悪循環に陥りやすいため、自己判断で中断しないことが大切です。

    ■ 発作時に備えて薬を持ち歩く必要がある

    外出先や学校、職場で突然発作が起こる可能性もあります。

    • 発作を抑える吸入薬(リリーバー)を携帯する
    • 小児では学校への薬の預け入れや管理

    このような対応が必要になることがあります。
    これは生活の制限ではなく、安心して日常生活を送るための備えと考えるとよいでしょう。

    気管支喘息は、アレルギー(IgE抗体)が関与しているかどうかによって、アトピー型喘息と非アトピー型喘息の大きく2つに分類されます。

    アトピー型喘息は小児に多く、アレルゲンに対して体が過剰に反応することで起こります。

    このタイプでは、特定のアレルゲンに反応して、IgE抗体(抗原特異的IgE)が増加し、肥満細胞からヒスタミンなどの炎症物質が放出されます。その結果、気道に炎症が起こり、気管支が狭くなって喘息症状が現れます。

    一方、非アトピー型喘息は成人以降に発症することが多く、血液検査で明確なアレルゲンやIgEの上昇がみられない(抗原非特異的)ケースが多く、原因特定が難しいとされています。

    感染や刺激など複数の要因が関与すると考えられています。

    ■アトピー型喘息の特徴

    • ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、花粉などのアレルゲン吸入が原因
    • 血液検査でIgE高値や好酸球増加がみられることが多い
    • アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎を合併しやすい
    • 環境整備(アレルゲン対策)が症状コントロールに重要

    ■非アトピー型喘息の特徴

    • 風邪などの感染症、冷気、タバコの煙、PM2.5などの刺激が発作の誘因になる
    • 血液検査でIgEが正常範囲のこともある
    • 加齢や生活環境の影響を受けやすく、気道の過敏性が症状に関与すると考えられている

    実は気管支喘息には、1つの検査だけで確定できる明確な診断基準はありません。

    そのため、症状や検査結果、治療への反応などをもとに、医師が総合的に判断して診断します。

    参考とされる項目は以下のものがありますが、医療機関の設備や検査機器によって実施できる検査は異なるので、すべての検査が必ず行われるわけではありません。

    喘息に特徴的な症状

    咳、喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難、胸部の圧迫感など

    可逆性の気流制限

    日によって症状が変動する
    β₂刺激薬の吸入で症状や呼吸状態が改善する

    気道の過敏性亢進

    少しの刺激でも気管支が収縮しやすい状態 
    慢性的な気道炎症により、冷気・運動・煙などの刺激で気管支が収縮しやすい

    ・アトピー素因の有無

    小児では重要な所見
    成人喘息では参考所見の一つ

    喀痰中好酸球

    3%以上で好酸球性炎症を示唆
    専門的な検査のため、実施できる医療機関は限られる

    肺機能検査(スパイロメーター)

    息を強く吐いた量などを測定し、気道の狭さを数値で評価する検査

    ・喘息に似た病気の除外

    咳喘息、COPD、心疾患、アトピー咳嗽など

    治療への反応

    吸入ステロイドなどの治療で、次回受診時に症状が改善しているかどうか
    小児では肺機能検査が難しいことも多く、経過や治療反応を重視して診断される

    気管支喘息は、1つの原因だけで発症する病気ではありません。

    体質・遺伝・感染・成長過程などが重なり合い、気道に慢性的な炎症や過敏性が生じることで発症すると考えられています。

    ■アレルギー反応(アトピー素因)

    アトピー素因は一般的にはアトピー体質と呼ばれるもので、ダニやハウスダスト、花粉などのアレルゲンに対して免疫が過剰に反応しやすい特徴があります。

    その結果、IgE抗体を介したアレルギー反応が起こり、気道に炎症が生じやすくなり、喘息を発症・悪化しやすくなります。

    アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー疾患を起こしやすい体質を指します。

    すでに症状が出ている人だけでなく、蕁麻疹や湿疹などのアレルギー反応を繰り返しやすい人や、家族にアレルギー疾患がある人も含まれます。

    ■遺伝的要因

    家族に気管支喘息や、アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患がある場合、喘息を発症するリスクが高くなることが知られています。
    これは喘息そのものが遺伝するというより、「アレルギーを起こしやすい体質」が遺伝すると考えられています。

    ■感染症

    乳幼児期にかかるウイルス感染(RSウイルスなど)は、喘息の直接の原因ではありませんが、発症のきっかけになることがあります。
    気道が未熟な時期に強い感染を受けることで、気道の炎症や過敏性が残り、その後の喘息発症につながると考えられています。

    ■年代・性別差

    • 小児期では男児に多い
    • 思春期以降は男女差が小さくなる、または女性に多くなる傾向がある

    この違いには、気道の太さの違いやホルモンバランスの変化が関与していると考えられています。

    ■地域差

    • 日本では黄砂が多い地域(九州地方や中国地方)で症状悪化がみられることがある
    • 寒暖差の大きい地域では発作が起こりやすい
    • 海外では地域差や調査方法がそれぞれ異なるが、インド、バングラディシュ、イギリスなど大気汚染の強い国でリスクが高いとされる

    ■アレルゲン

    • ダニ
    • ハウスダスト(室内のホコリ。ダニの死骸やフンを含む)
    • カビ
    • ペットの毛・フケ
    • 花粉

    免疫(IgE)が関与する原因物質なのでアトピー型喘息では特に重要です。
    ただ、 非アトピー型でも悪化因子になることはあります。

    ■刺激・環境による発作誘因

    • タバコの煙(受動喫煙含む)
    • PM2.5・黄砂
    • 排気ガス
    • 線香・お香・アロマの煙
    • 石油ストーブなど暖房器具の排気
    • 掃除機・布団の上げ下ろし時の粉塵

    これらはアレルゲンではありませんが、吸い込むと直接気道を刺激するため、気道の過敏性が高い方では発作を起こしやすくなります。

    アトピー型・非アトピー型どちらでも発作の引き金となりえますが、特に非アトピー型では、アレルゲンよりもこうした刺激が主な原因となっていることが多いため重要です。

    ■体の状態・行動による発作誘因

    これらは環境中の物質ではなく、体調や行動の変化によって気道が過敏になることで起こる発作誘因です。

    • 運動(運動誘発喘息)
    • 風邪・ウイルス感染
    • 冷たい空気の吸入
    • 気温・湿度の急激な変化
    • 強いストレス・疲労

    これらの状態になることもアトピー型・非アトピー型に関わらず、普段コントロール良好の方でも発作の原因になることがあります。

    ■対処法

    気管支喘息は、発作が起きてから対処する病気ではなく、発作を起こさないように予防がとても重要な病気です。

    そのためには、自分(またはお子さん)の喘息発作の引き金となる原因を、ある程度把握しておくことが大切になります。

    何に対してアレルギーを持っているかは、病院で血液検査を行い、ある程度は把握することが可能です。

    アレルゲンでなくとも、喘息発作の原因となっているものが分かっていれば、原因物質に近づかない、掃除、換気、禁煙、マスク、休養などの対策が出来ます。

    原因物質をゼロにすることが出来なくても、量を減らすことでも効果が期待出来ます。

    気管支喘息は、「原因を知る → 避ける工夫をする → 薬で炎症を抑える」この積み重ねで、日常生活を大きく制限せずに過ごせる病気です。

    吸入ステロイドなどの長期管理薬を継続することで、気道の炎症や過敏性そのものを抑え、発作を起こしにくい状態を保つことができます。

    症状が安定していれば、医師の指示のもと、事前に吸入薬を準備して、部活動や体育で運動することが可能なケースも少なくありません。

    発作を我慢するのではなく、起こさないようにすることが、安心して生活するための近道です。

    気管支喘息の治療は、気道の慢性的な炎症を抑えることが基本です。
    症状があるときだけ治療するのではなく、発作を起こさないための継続治療が重要になります。
    以下にそれぞれの薬の代表例を記載しています。

    【1】 吸入ステロイド(ICS):第一選択薬

    フルチカゾン(フルタイド)、ブデソニド(パルミコート)

    • 気道の慢性炎症を抑える、喘息治療の中心となる薬
    • 症状がない時期でも毎日使用する
    • 局所作用(ほぼ気管支だけに作用)なので、正しく使えば全身への副作用は少ない

    気管支喘息の症状がなく苦しくない状態は、病気が治っているのではなく、薬により炎症を抑え続けているからです。
    吸入ステロイドによる口腔カンジダや嗄声などの副作用防止のため、吸入後にうがいを行います。



    【2】 β₂刺激薬

    短時間作用型(SABA)

    サルブタモール(サルタノール)、プロカテロール(メプチン)

    長時間作用型(LABA)

    ツロブテロール(ホクナリン)、サルメテロール(セレベント)、インダカテロール(オンブレス)

    • 気管支を広げ、息苦しさを速やかに改善
    • SABAは発作時の頓用薬(リリーバー)
    • LABAは単独使用は推奨されず、吸入ステロイドと併用が基本

    発作を抑える薬と炎症を抑える薬とで役割は異なります。

    β₂刺激薬も吸入後のうがいが推奨されています。

    【3】抗コリン薬

    チオトロピウム(スピリーバ)、イプラトロピウム(アトロベント)

    吸入ステロイドやβ₂刺激薬で効果不十分な場合の追加治療や、COPD合併例や高齢者の喘息に使われることがあります。
    閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症には禁忌です。

    【4】配合剤

    サルメテロール・フルチカゾン(アドエア)

    ブデソニド・ホルモテロール(シムビコート)

    フルチカゾン・ホルモテロール(フルティフォーム)

    フルチカゾン・ビランテロール(レルベア)

    インダカテロール・グリコピロニウム・モメタゾン(エナジア)

    フルチカゾン・ウメクリジニウム・ビランテロール(テリルジー)

    ブデソニド・グリコピロニウム・ホルモテロール(ビレーズトリ)

    複数の吸入剤を併用するよりも、配合剤で手間を減らしたり、吸入の間違いを予防することで治療の継続がしやすくなるという利点があります。
    また、気管支を広げた状態で吸入ステロイドを届けることができるため、より高い治療効果が期待されます。

    【5】ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)

    モンテルカスト(シングレア)、プランルカスト(オノン)

    • アレルギーに関わる炎症物質の働きを抑える
    • 軽症喘息や小児喘息で使われることが多い
    • アレルギー性鼻炎を合併している場合に有効

    【6】テオフィリン徐放剤

    テオフィリン(テオドール)

    • 気管支拡張作用をもつ
    • 血中濃度管理が必要
    • 主要な治療薬で効果不十分の場合に有効な補助治療として使われることがある



    【7】経口ステロイド薬

    プレドニゾロン(プレドニン)

    • 強力な抗炎症作用
    • 急激な悪化時や重症例で短期間使用
    • 生命にかかわる重症発作時ではパルス療法を行うことがある

    ■ その他の治療(補足)

    • 従来の治療で効果不十分な重症喘息に対しては生物学的製剤を検討する
    • 重症発作時には酸素吸入やボスミン皮下注など
    • 補助的に抗ヒスタミン薬や漢方薬が用いられることも
    • アレルゲン免疫療法で体質改善を目指すことも出来る場合がある
    • 病院や自宅でネブライザーを用いた吸入を行うこともある

    気管支喘息の治療は、年齢や症状の程度、生活状況などを考慮し、主治医の判断で行われます。一般的には、吸入ステロイドを長期管理薬として継続し、発作時にはβ₂刺激薬を使用します。必要に応じて他の薬剤を追加し、段階的に治療を調整していきます。
    詳しくは厚生労働省のガイドラインをご参照ください。

    【厚生労働省:成人喘息の疫学、診断、治療と保険指導、患者教育】
    https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-07-0001.pdf

    【厚生労働省:小児喘息の疫学、診断、治療と保険指導、患者教育】
    https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-06-0007.pdf

    実は、喘息を経験しながらも一流のアスリートとして活躍したのはこちらの方々です。

      羽生結弦さん(フィギュアスケート)

      藤川球児さん(元プロ野球選手)

      岡崎慎司さん(元サッカー日本代表)

    気管支喘息は、適切な治療と自己管理を続けることで、日常生活はもちろん、スポーツや仕事、やりたいことを諦めずに続けることが可能な病気です。
    大切なのは我慢することではなく、正しく知り、上手につきあうことです。
    お子さんであれば、保護者が病気や薬のことを理解し、治療のサポートを行う必要があります。

    喘息の症状や治療内容、薬の使い方には個人差があります。不安なことや分からないことがあれば、自己判断せず、主治医や薬剤師に相談しながら治療を進めていきましょう。

  • 「みずいぼ(伝染性軟属腫)って放っておいても大丈夫?薬や治療、感染の注意点を薬剤師が解説!」

    夏場になると子どもの肌に、ポツポツとした「みずいぼ」ができているのを見たことはありませんか?

    かゆみも痛みもあまりないのに、いつの間にか数が増えている…。

    実はこれ、「伝染性軟属腫(みずいぼ)」というウィルスによる皮膚感染症です。

    ここでは、薬剤師の視点から「みずいぼがどんな病気なのか」「どう治すのか」「感染を広げないために何を気をつければいいのか」まで、わかりやすく解説します。

    みずいぼは1歳〜10歳くらいの小児に多くみられる病気ですが、特にプールの季節に感染が増えます。

    感染のきっかけは、肌と肌の接触なので、兄弟姉妹やお友達とのスキンシップが多い時期に広がりやすいのです。

    大人でも感染することはありますが、免疫力がしっかりしているためほとんどは軽症です。

    一方で、アトピー性皮膚炎などで皮膚バリアが弱っている人は感染しやすく、治りにくい傾向があります。

    原因は「伝染性軟属腫ウィルス(ポックスウィルスの一種)」で、このウィルスが皮膚の表面に感染し、中央が少し凹んだ白っぽい丘疹を作ります。

    • 見た目の特徴:1〜5mm程度の丸いツヤのあるイボ。中央が少しくぼむ。
    • 痛みやかゆみはほとんど無いが、掻くと炎症を起こして赤くなることも。
    • 最初は数個でも、掻くことで自己感染してどんどん増える。
    • 経過としては自然に免疫ができ、半年〜2年ほどでそのまま治ることが多い。

    血液検査や特別な検査は基本的に不要で、皮膚科医が見た目で診断できます。

    みずいぼには以下の治療薬を使う事があります。

    • ワイキャンス外用薬
      2025年9月に承認。
      作用機序は明確にされていないが、中性セリンプロテアーゼの活性化を介し、表皮のデスモソームを脆弱化し、表皮構造を破壊することで塗布部位に水疱を形成する。
      水疱の形成により病巣皮膚が剥がれ落ち、ウィルス感染組織が除去されると考えられている。
      3週間に1回病院内で塗布。
    • MBFクリーム
      銀イオンの抗ウィルス作用がみずいぼの原因ウィルス(伝染性軟属腫ウィルス)を抑制する。
      さらに、もう1つの細分であるサクランは保湿効果と抗炎症作用がある。
      医師の診断後に自費で購入する必要あり。
    • ヨクイニン
      体内の水分バランスを整え、余分な水分や老廃物を輩出することで、肌のターンオーバーが活性され、イボを体外に排出する。
      また、免疫細胞の働きを整えることで症状改善に期待されると考えられています。
    • スピール膏
      サリチル酸が患部に浸透する事で、角質を柔らかくして皮膚をふやかし、いぼを剥がしやすくする。
      患部以外に貼ると、皮膚を傷つける恐れがあるので、患部のみに貼る。
      ただし、市販のスピール軟膏は、ミズイボへの適応がないので注意。

    上記の薬物治療は痛みがない治療として、患者さんの状況に合わせて選択されます。

    みずいぼの症状に加えて皮膚が乾燥しているとウィルスが広がりやすくなるため、保湿剤(ヘパリン類似物質やワセリンなど)で肌を守ることも大切です。

    アトピー性皮膚炎を併発している場合は、ステロイド外用薬でかゆみや炎症を抑え、掻かないようにするのも有効です。

    ■ 医療機関での処置

    皮膚科では「ピンセットで1つずつ取り除く(摘除法)」が一般的です。

    痛みを伴いますが、麻酔のシール(エムラクリームなど)を使うことで痛みを軽減できます。

    他にも、液体窒素による凍結療法もありますが、こちらも痛みを伴います。

    また、みずいぼは自然治癒も可能ですが、免疫がついて完治するまで時間がかかるので、他の人にうつしてしまったり、とびひ等の二次感染のリスクを考えると、病院を受診して治療することをお勧めします。

    ■ 感染を防ぐには

    • タオルや衣類の共用を避ける
    • 入浴やプール後はしっかり身体を洗う
    • 掻かないように短く爪を切る

    感染経路は主に接触感染ですが、肌と肌が触れやすい環境(プールなど)では広がる可能性があります。

    ■ 登園・登校について

    多くの自治体では、登園・登校の制限は不要です。

    ただし、医師が「感染を広げやすい」と判断した場合のみプールを控えるよう指導されることがあります。

    免疫力を落とさないことが大切です。

    ビタミンA・C・Eを多く含む野菜や果物をとり、睡眠と保湿ケアをしっかり行いましょう。

    皮膚のバリアを保つことで、ウィルスが侵入しにくくなります。

    みずいぼという名前ですが、実は中に入っているのは水ではなく、モルスクム小体というウィルスと変性した皮膚組織が混ざり合った白い粥状の塊です。

    潰すとウィルスが拡散してしまうため、絶対に自分でつぶさないようにしましょう。

    みずいぼはウィルスによる皮膚感染症で、自然に治る病気である反面、症状が広がったり、他の人への感染に注意が必要です。

    家庭でのスキンケアと、必要に応じた皮膚科での除去で、清潔な肌を保ちましょう。

  • 【薬剤性・血小板減少】薬で血小板が減るのはなぜ?原因・症状・対処法を薬剤師がわかりやすく解説

    薬の副作用欄で「血小板減少」という言葉を見たことはありませんか?

    血小板は出血を止めるための重要な細胞なので、数が減るとあざが増えたり、出血が止まりにくくなることがあります。

    今回は、薬が原因で起こる「薬剤性血小板減少」について、薬剤師の視点で分かりやすく説明します。

    血小板が少なくなると、体の止血力が弱くなり、次のような症状がみられます。

     ■身体に出やすい症状

    • 青あざが増える(皮下出血)
    • 鼻血・歯ぐきなど粘膜からの出血
    • 皮膚に赤い点が出る(点状出血)
    • 月経量の増加(女性)
    • 血尿、黒色便(消化管出血)

    ■検査値

    • 血小板の正常値:15~35万/μL

      10万/μL以下で血小板減少とされます。

      5万/μL以下であざや出血が増えやすくなり、1万/μL以下では脳出血など命に関わる出血の可能性があります。
    • 白血球・赤血球・ヘモグロビンの低下

      これらの値が低下するケースに関しては、 後述する「骨髄抑制タイプ」で説明します。

    ■気づきやすいタイミング

    • 服用開始後 数日〜数週間以内
    • 免疫反応が原因の場合は、急激に血小板が落ちて気づくことが多い

    薬による血小板減少は、大きく 「免疫反応タイプ」 と 「骨髄抑制タイプ」 の2つに分けられます。

    【1】免疫反応タイプ

    薬剤性免疫性血小板減少(DITP:Drug-Induced Immune Thrombocytopenia)

    服用した薬が血小板と結合し、その結合体を異物と認識した免疫系が血小板を攻撃・破壊しようとすることで起こります。

    原因となっている薬を中止すると、数日〜1週間で改善することが多いのが特徴です。

    ■原因となりやすい薬

    • 抗生物質:ペニシリン、バンコマイシン、リファンピシン、セフトリアキソン、ST合剤 など
    • 抗けいれん薬:カルバマゼピン
    • 抗血小板薬:チクロピジン
    • 甲状腺薬:チアマゾール、プロピルチオウラシル
    • その他:一部の NSAIDs、H₂ブロッカー、利尿薬(ヒドロクロロチアジド)など

    ■発症の特徴

    • 急激に血小板数が数千~数万/μLまで落ちることがある
    • 同じ薬を再使用すると強く出やすい
    • 原因薬を止めれば数日で回復
    • 発生頻度はまれ

    【2】骨髄抑制タイプ

    骨髄における造血機能が低下するタイプ

    薬の影響で骨髄で血液を作る力そのものが低下するため、

    血小板だけでなく、白血球や赤血球も一緒に下がりやすいのが特徴です。

    ■原因となる薬

    • 抗がん剤:シスプラチン、パクリタキセル など
    • 分子標的薬:イマチニブ など
    • 抗ウイルス薬:ガンシクロビル
    • 免疫抑制剤:アザチオプリン、メトトレキサート
    • 抗菌薬:リネゾリド など

    ■ 発症の特徴

    • 徐々に血小板が低下
    • 投与量や投与間隔の調整で改善することもある
    • 抗がん剤治療では一般的にみられるため、定期的な血液検査が必須

    • 高齢者
    • 肝機能・腎機能が低下している人
    • 抗がん剤・免疫抑制剤を使用している場合
    • 相互作用を起こしやすい薬を併用している人
    • 過去に薬剤性血小板減少を起こした人

    ■ プレドニンについて(誤解されやすいポイント)

    ここでよく誤解されやすい薬がプレドニン(ステロイド)です。

    上記の項目に免疫抑制剤は血小板減少を起こす可能性があると記載していますが、プレドニンもそれに当てはまるのかと思った方がいるかもしれません。

    プレドニンはその免疫抑制作用により血小板減少を起こす薬ではありません。

    むしろ免疫細胞の血小板への攻撃を抑制するので、免疫性血小板減少症(ITP)、薬剤性免疫性血小板減少(DITP)の治療薬として使われ、血小板数を増やす方向に働く薬です。

    血小板が著しく減ると、出血が止まらず命に関わることもあります。

    症状がある場合は必ず医療機関へ相談しましょう。

    ■ 緊急受診が必要な症状

    • 20分以上止まらない鼻血・出血
    • 血尿、黒色便
    • 強い頭痛(脳出血の可能性)
    • 息苦しさ、めまい、失神

    ■ 早めに受診すべき症状

    • あざが急に増えてきた
    • 点状出血が広がる
    • 鼻血や歯ぐきからの出血が多い
    • 月経量が大幅に増える

    ■ 自宅で様子を見てもよい場合

    • 軽いあざのみ
    • 他の危険サインがない

      ※ただし自己判断は避け、早めに医療機関へ相談する

    ■ 出血時にできる応急処置

    例えば、出血が続く間に自分でもできる応急処置として圧迫止血があります。

    圧迫止血とは出血している部位を乾いた布やガーゼで強く押さえ、数分間圧迫し続ける止血法です。

    手足の出血の場合は、もし可能なら患部を心臓より高い位置にすると止血しやすくなります。また、氷で患部を冷やすことでも止血効果があります。

    本人ではない救助者が止血を行う場合は手袋などの感染症予防を必ず行いましょう。

    ■ 日常生活での注意

    • 出血しやすい時期のシェービングや激しい運動は控える
    • 打撲に注意
    • 服薬中止は自己判断せず必ず医師・薬剤師と相談

    血小板が減る原因は薬による副作用だけではありません。下記の様なケースもあります。

    免疫性血小板減少症(ITP:Immune thrombocytopenia)

    指定難病となっており、ウイルス感染・予防接種がきっかけと考えられることもありますが、原因が特定できないケースがほとんどです。

    妊娠性血小板減少

    妊娠による血液量増加に対して血小板の濃度が下がるために起こります。
    ただし、血小板が10万/μL未満の場合は、妊娠高血圧症候群に関連した疾患や免疫性血小板減少の可能性があるため、精密検査が必要になってきます。

    血液疾患(白血病、再生不良性貧血など)

    その他の血液疾患では血小板以外の検査値でも異常値を示す場合がほとんどです。

    血小板減少と似ているようで、実はまったく異なるケースもあります。

    まず、抗血小板薬や抗凝固薬は血液を固まりにくくする薬ですが、血小板の数そのものを減らす薬ではありません。

    例えばバイアスピリンは、血小板凝集を抑制する薬であって、血小板を減らして血液をサラサラにする薬ではありません。

    つまり、バイアスピリンが効きすぎた結果として血小板減少が起こるわけではありません。

    また、抗凝固薬ヘパリンには、ヘパリン起因性血小板減少(HIT)という特殊な副作用があります。

    これは「薬剤性免疫性血小板減少(DITP)」とは免疫反応のメカニズムが異なるため、別の病態として扱われます。

    このように、血小板減少 といっても原因はさまざまです。

    「あざが増えた」「鼻血が止まりにくい」など、少しでも気になる症状があれば早めに相談することが大切です。

    迷ったときは、薬剤師に相談してください。

  • 【横紋筋融解症とは?薬剤師がわかりやすく解説】

    横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)は、

    筋肉が壊れて中の成分(ミオグロビンなど)が血液中に流れ出てしまう危険な副作用です。

    早めに気づけば治療できる一方、

    放置すると腎不全を引き起こすことがあり、命にも関わります。

    ここでは、薬剤師として気になるポイントをまとめます。

    ■ 身体症状

    • 筋肉痛・筋肉のこわばり(特に太もも・ふくらはぎ・肩などの大きな筋肉で起こりやすい)
    • 筋力低下(力が入りにくい)
    • 尿の色が濃い・コーラのような赤褐色の尿
    • むくみ

    ■ 体調変化

    • 強いだるさ
    • 発熱
    • 吐き気
    • 動悸・息切れ(重症例)

    ■ 検査値の異常

    • クレアチンキナーゼ(CK、CPK)の大幅上昇
      骨格筋の破壊が原因です。正常値のおよそ5倍以上の1,000U/L以上で筋障害を疑い、5,000U/L以上で重症レベル、超重症例では100,000U/Lを超えることもあります。
    • ミオグロビン上昇
      赤褐色尿の原因はミオグロビン尿によるものです。筋肉から漏れ出したタンパク質が原因で、血液中ミオグロビンがおよそ1.5mg/dl以上は、他の項目と併せて診断の目安の1つとなります。
    • 尿素窒素(BUN)、クレアチニン上昇(Cr)
      腎機能の低下を示します。筋肉の破壊によって生じた物質が腎臓の負担となるためです。輸液による水分補給、原因薬剤の中止、腎機能が著しく低下した場合は血液透析などの適切な治療を行えば元の健康な腎機能に戻る可能性があります。

    この他にも高K血症、低Ca血症、高P血症等の電解質異常や、ASTやLDH等の肝機能に関する検査値も上昇します。

    ■ どのタイミングで症状を感じやすいか

    • 薬を飲み始めて数日〜数週間以内に出ることが多い
    • 運動量が急に増えた後
    • 脱水状態(夏場・発熱)で悪化しやすい

    ただし、スタチン系による横紋筋融解症は服用開始から数か月後に徐々に発症するケースがあるので、しばらくは注意が必要です。

    ■ スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)

    • アトルバスタチン
    • シンバスタチン
    • ロスバスタチン
    • プラバスタチン

    スタチン系の中でもプラバスタチンやロスバスタチンのような水溶性の薬は、脂溶性の薬よりも筋肉への移行が少ないので、比較的横紋筋融解症が起こる可能性は低いと言われています。

    ■ フィブラート系

    • フェノフィブラート
    • ベザフィブラート

    フィブラート系単独でも横紋筋融解症リスクがありますが、スタチン系との併用時にさらにリスクが高くなることが知られています。

    ■ その他

    • エゼチミブ
    • 抗精神病薬
    • 抗うつ薬
    • 抗菌薬(キノロン系など)
    • 抗てんかん薬

    頻度は薬により大きく異なり、すべてに当てはまるわけではありませんが、この項目の一部の薬で横紋筋融解症の可能性があります。

      横紋筋融解症の原因薬ごとに共通・確定した機序はまだありません。

    ただ、薬ごとに有力とされる推定メカニズムが存在しているので、あえてふれておきます。



    ■スタチン系

    スタチン系は筋肉のエネルギー産生に関するミトコンドリアの機能も阻害します。
    それにより筋肉へのエネルギー供給が減少することで、筋細胞が損傷してしまいます。
    さらにその損傷が深刻になると横紋筋融解症に発展してしまうと考えられています。

    ■フィブラート系

    フィブラート系もミトコンドリア障害や代謝異常が推定されていますが確立はされていません。

    ■ その他

    頻度は薬の種類により大きく異なりますが、スタチン+相互作用薬の併用時は注意が必要です。

    特にエゼチミブ単独では横紋筋融解症は極めて稀で、スタチンとの併用時の症例報告が中心です。

    他にも抗精神病薬、抗うつ薬、キノロン系等の抗菌薬、抗てんかん薬ではいずれも単一の確立した機序があるわけではなく、複数の要因が重なった場合(脱水、電解質異常、免疫反応、悪性症候群、セロトニン症候群、高アンモニア血症等)を介して横紋筋融解症が起こるのではないかと考えられています。

    ■ 薬物相互作用

    数年前にはフィブラート系はスタチン系と「原則併用禁忌」でしたが、見直されて「併用注意」となっています。併用により横紋筋融解症リスクは上がるので注意が必要です。

    他の薬がスタチンの代謝酵素(CYP3A4など)を阻害すると血中濃度が上昇し、リスク増加します。
    複数のスタチン系薬に対してクラリスロマイシンは併用注意、シクロスポリンは併用注意もしくは併用禁忌があります。

    他にもアゾール系抗真菌薬や抗HIV薬等のCYP3A4阻害作用に注意が必要です。

    ■ 食べ物・生活習慣の影響

    • グレープフルーツジュース→CYP3A4代謝阻害で濃度上昇
    • 激しい運動 → 筋細胞の破壊を助長
      過度のトレーニングによるオーバーワークや脱水は横紋筋融解症の原因となる可能性があります。
    • 脱水(発熱・下痢・大量の汗) → 腎障害のリスク増、熱中症に注意

    ■ 年齢・体質

    • 高齢者(筋肉量が少なく代謝が低下)
    • 低体重・栄養不足


    ■ 基礎疾患

    • 腎機能低下
      腎機能低下者は横紋筋融解症を起こすと急性腎不全のリスクが非常に高く、重症化しやすい傾向にあります。
    • 肝機能障害
    • 甲状腺機能低下症(潜在性も含む)
      スタチン筋症と甲状腺機能低下症は、どちらも筋力低下、筋痛、疲労感などの症状を引き起こす可能性があり、併発すると症状が強まることがあります

    • 急性腎不全(最も重大)
    • 高カリウム血症による不整脈
    • 慢性腎臓病
    • 重症化すれば命の危険も

    すぐに治療すれば後遺症なく回復するケースが多いです。

    横紋筋融解症そのものよりも、腎障害や電解質異常が命に関わるため、早期対応が最重要です。

    ■ 受診の目安

    • 筋肉痛やしびれがある
    • 赤褐色尿がある
    • 脱力感

    上記の症状があり横紋筋融解症が疑われる場合は、すぐに内科や腎臓内科を受診してください。

    さらに意識障害、38.5℃以上の高熱、呼吸困難、胸痛があれば救急受診しましょう。

    ■ 生活習慣アドバイス

    • 水分をしっかり取る
    • 急な無理な運動を避ける
    • 発熱・脱水時は医師に相談


    ■ 薬の中止について

    • 自己判断で中止しないこと
    • 医師が必要と判断した場合は、スタチンの種類変更や減量を行う

    横紋筋融解症が疑われるとき、CK(クレアチンキナーゼ)の数値が重要な判断材料 になります。

    筋肉のトラブルがあっても、CKが軽度上昇(目安:500 U/L 前後)で、症状が軽い場合は、薬を続けながら経過をみることが多いとされています。

    一方で、CKが1,000 U/L を超える場合、または基準値の 10倍以上の上昇がある場合 は、

    各種ガイドラインや総説でも「原因となる薬剤の中止、減量、または他剤への切り替えを検討する」ことが推奨されます。

    これは、CKの大幅な上昇が腎障害のリスクを高めること、横紋筋融解症に進展しやすいため早期介入が重要なことが理由とされています。

    ただ、CK値だけで判断せず、「症状の有無」、「尿の色」、「腎機能」を総合的に評価する事が重要です。

  • ARBの『臓器保護作用』と『血圧が安定して低下するのに時間がかかる理由』

    高血圧の治療では高い降圧力と即効性に加え、一部には狭心症にも有効なCa拮抗薬がよく処方されるというイメージを持っている方も多いかと思います。

    逆にARBは比較的ゆっくりと降圧作用を発揮し、心不全に有効というところでしょうか。

    今回はARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)の特徴を2つの観点から深掘りしてみました。

    ARBの特徴として、血圧を下げる降圧作用に加えて、臓器保護作用(腎保護作用・心保護作用)があります。

    ■腎保護作用

    ARBは、腎臓の輸出細動脈を拡張させて糸球体内圧を下げ、糸球体の過剰なろ過を防ぐことで尿タンパクが減少します。実は尿タンパクが出ていること自体が腎臓への負担となります。

    さらに糸球体硬化の進行による腎機能低下を抑制させる効果も期待できます。

    ただし、ARB投与時には腎動脈狭窄の有無に注意が必要です。動脈が狭くなって血流が少なくなった腎臓にARBの輸出細動脈拡張作用が加わると、腎血流量がさらに低下します。

    そうすると尿が作りにくくなることに加え、低酸素に弱い腎細胞がダメージを受け腎機能が急速に低下する恐れがあるからです。

    ■心保護作用

    アンジオテンシンⅡは血管収縮を起こすだけでなく、心筋細胞の肥大・線維化を促進し、心筋リモデリングを引き起こします。

    心不全患者の脳は血流が足りないと勘違いし、レニン・アンギオテンシン・アルドステロン(RAA)系を活性化し、血液に水分とNaをため込むことで、心臓への負担を増加させることになります。

    ARBのアンジオテンシンⅡ受容体阻害作用は間接的にアルドステロン分泌を抑え心筋リモデリングを防ぎます。つまりARBは心臓を守る降圧薬としての側面を持っているのです。

    ARBの降圧作用には「速効性作用」と「遅効性作用」の2つがあります。

    ■速効性作用

    投与初期からARBはアンジオテンシンⅡ受容体(AT₁受容体)阻害作用により、血管収縮を抑制し血圧低下が起こります。

    ■遅効性作用

    アンジオテンシンⅡはアルドステロン分泌促進を起こします。アルドステロンは腎臓で水とNaの再吸収を増加させ、体液量を増やすことで血圧が上がります。

    ARBのアルドステロン作用抑制により体液量の調整がゆっくりと進み、安定した降圧効果の発揮には数日〜2週間程度かかることが多いのです。

    つまり、「血管拡張による即効性作用」と「体液量調整による遅効性作用」の両方があるので、ARBは開始後すぐに血圧は下がり始めますが、「安定して下がる」には2週間ほどかかるという説明がより的を得ているて言えるでしょう。


    腎動脈狭窄がある場合はARBの使用は注意が必要と書きましたが、薬局で腎動脈狭窄の有無を確認することは簡単ではありません。

    腎動脈狭窄の所見は、原因不明の重度高血圧や、左右の腎臓の大きさの差、または肺水腫などです。これらがある場合に検査が行われ、超音波やCT、MRI、腎動脈造影検査などの画像検査で診断を行うからです。

    薬局薬剤師が注意すべき事としては、まずARBを開始する際には動脈硬化リスクのある方への経過観察です。
    糖尿病や脂質異常症等の病歴、高齢者や喫煙者のような患者背景に注視しましょう。
    さらに服用開始後には浮腫、倦怠感、乏尿が無いことを確認し、腎機能の検査値(eGFR、Cr、BUN、尿タンパク)に変化が無いかをチェックしましょう。

    今回はARBの特徴を整理しました。
    何年か前に先輩薬剤師からARBの特徴を教えてもらった過去があり、臓器保護作用や血圧が安定して下がる理由を改めて調べてみたかったからです。

    次に新規でARBが処方された患者さんには今回の学びを活かしたいですね。

  • カレーだけじゃない!薬剤師が解説する“ウェルシュ菌”の意外な危険と予防法

    皆さんは、カレーを翌日に温め直して食べることはありますか?

    あの熟成された翌日のカレー、最高ですよね。

    でも実はカレーやシチューは、**食中毒の原因となる「ウェルシュ菌」**が繁殖しやすい代表的な料理と言われています。

    しかし、注意すべきなのはカレーやシチューだけなのでしょうか?

    ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は、クロストリジウム属に属する嫌気性グラム陽性桿菌です。

    嫌気性なので空気の少ない環境を好んで増殖します。特徴としては・・・

    • 芽胞(バリアのような殻)を作って熱や乾燥に強い
    • 私たちの腸内にも腸内細菌叢の構成菌として常在していることが多い(少量なら無害)
    • 土壌や下水、河川や海、ほこりなど環境中に広く存在し、肉や野菜にも付着している


    つまり「どこにでもいる菌」で、調理の過程で完全に除去するのは難しい菌なんです。

    ウェルシュ菌は芽胞を作ると、滅菌には100℃で6時間以上加熱しなければいけません。一般的な調理での加熱消毒は難しいでしょう。

    調理後に温度が下がる過程で急速に増殖します。


    ■繁殖しやすい条件は・・・

    • 温度:45〜50℃前後で最も活発
    • 環境:酸素がなかなか行き届かない粘性が高い料理(カレー、シチューなど)
    • 放置時間:2時間以上“ぬるい温度”が続くと急増


    ■ウェルシュ菌による食中毒の症状

    • 食後6〜18時間で発症
    • 主な症状:下痢・腹痛(発熱・嘔吐は少ない)
    • 多くは1〜2日で回復しますが、乳幼児や高齢者では重症化のリスクもあります。

    ■治療

    特効薬はなく、脱水に対する水分補給や整腸剤による対症療法が中心です。


    • 調理後は2時間以内に料理の中心部まで冷却
    • 小分けして浅い容器に移す(熱が逃げやすい)
    • 冷蔵庫に入れる前に氷水などで粗熱を取る
    • 食べるときは75℃以上で1分間再加熱

    ポイントは「冷ますスピード」と「再加熱」です。

    カレーなどを「夜に作って朝まで鍋のまま放置」すると、菌が増えやすくなります。

    再加熱では、芽胞を形成したウェルシュ菌は生き残りますが、芽胞を形成していないものや一部の毒素は除去することができます。

    • とろみや油分で熱がこもりやすく、冷めにくい
    • 大鍋だと冷蔵庫に入れても中心部まで冷えるのに時間がかかる
    • 空気が入りにくい“嫌気的”環境
    • カレーやシチューに含まれるタンパク質等はウェルシュ菌繁殖の栄養源となる

    これらが、まさにウェルシュ菌にとって理想の環境なんです。

    他の料理でも注意するべきです。

    以下のような料理もリスクがあります。

    料理名理由
    味噌汁具が多く、大鍋は冷めにくい
    ミートソース・煮物粘度が高く酸素が少ない
    スープカレー・ボロネーゼとろみ+肉汁+栄養で菌が生き残りやすい

    特に大量調理や作り置きでは注意が必要です。

    おでんの継ぎ足しやうなぎの秘伝のタレも一見リスクが高そうですが、毎日しっかり加熱殺菌している場合や塩分濃度がウェルシュ菌繁殖に適さない場合は比較的安全とされています。

    ただし、加熱不足や途中で温度が下がる時間が長いと、

    やはり芽胞菌が残って増殖する可能性があります。

    老舗の店舗では「毎日必ず沸騰させる」「鍋を空にして洗浄後に再仕込み」など、厳格な衛生管理がされています。

    現代では保健所の衛生基準も厳しく、毎日すべてのだし汁を継ぎ足すようなリスクが高い事をするお店があるとは考えずらいですね。

    • ウェルシュ菌は「どこにでもいる」嫌気性の芽胞形成菌
    • 40〜50℃で長時間放置すると爆発的に増殖
    • カレーやシチューは特に注意!
    • 予防は「小分け・急冷・再加熱」が基本
    • 継ぎ足し料理も加熱管理が重要

    古くなった食品の匂いを確認した後に、「大丈夫!!」と言って食べてしまう人もいます。犬じゃないんだからね(笑)

    ただ、ウェルシュ菌が増殖してしまった食べ物は、匂いや見た目ではほとんど判断できないので、作り置きをする場合は温度・衛生管理に注意しましょう。

  • 【薬剤師が解説】飲酒のメリット・デメリット 〜楽しくお酒と付き合うために〜

    皆さん、お酒は好きですか?

    私も人並みにお酒が好きで、仕事終わりに軽く晩酌をするのが日課になっています。

    お酒を飲む時間はリラックスできて、食事もおいしく感じられるひとときですよね。

    ただ、薬剤師として日々患者さんと接していると、「飲みすぎて体調を崩した」「薬と一緒に飲んでしまった」など、飲酒にまつわるトラブルも少なくありません。

    今日は、**薬剤師の視点から見た「飲酒のメリットとデメリット」**をわかりやすく整理してみたいと思います。

    ① 心身のリラックス効果・食事の楽しみ

    適度な飲酒はリラックス効果をもたらします。

    また、アルコールが中枢神経を軽く抑制することで緊張がほぐれ、会話や食事の時間がより楽しく感じられます。

    ② 血流改善・末梢血管拡張作用

    アルコールには末梢血管を拡張する作用があり、一時的に血流を改善します。

    そのため、体が温まったように感じるのはこの作用によるものです。

    ③ HDL(善玉)コレステロールの増加

    少量の飲酒はHDLコレステロールを増やし、動脈硬化を抑える可能性があると報告されています。

    ただし、「少量」がポイントで、過剰摂取は逆効果になります。

    ④ コミュニケーションの潤滑油

    適度な飲酒は、緊張を和らげ、会話をスムーズにしてくれます。

    仕事の場や家庭での交流を深めるきっかけになることもありますね。

    ① 肝臓への負担

    アルコールは肝臓で代謝されるため、過剰な飲酒は脂肪肝、肝炎、肝硬変へと進行するリスクを高めます。

    肝機能障害を持つ方や、肝臓で代謝される薬を服用している方は特に注意が必要です。

    ② 高血圧・心筋症・不整脈のリスク

    アルコールは交感神経を刺激し、血圧を上昇させます。

    慢性的な飲酒は、アルコール性心筋症や不整脈(特に心房細動)を引き起こす原因になることもあります。

    ③ 睡眠の質低下

    寝酒は寝つきを良くするように感じますが、実際はレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが変化し、睡眠の質を悪化させます。

    結果として「夜中に目が覚めやすい」「翌朝疲れが取れない」といった症状が出やすくなります。

    ④ 脱水・電解質異常

    アルコールは抗利尿ホルモンであるバソプレシン(ADH)の分泌を抑えるため、尿量が増えます。

    水分やミネラルが失われ、脱水や電解質異常(特にNa・K・Mgの低下)を招くことがあります。脱水が進むと血液がドロドロになり、より血管や心臓に負担がかかります。

    ⑤ 薬との相互作用

    アルコールは多くの薬と相互作用します。

    睡眠薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬などは、アルコールと併用すると中枢神経抑制が強まり、転倒や意識障害のリスクが高まります。

    肝代謝系(CYP酵素)を介する薬物にも影響を与えるため、服薬中の方は特に注意が必要です。

    ⑥ 脳への影響・認知機能低下・依存

    慢性的な飲酒は脳細胞の萎縮を引き起こし、記憶力や判断力の低下につながります。

    また、脳内の報酬系に作用することで依存が形成されやすくなり、「やめたいのにやめられない」状態になることもあります。

    ⑦ 筋肉の分解

    アルコールは筋肉に関するホルモンにも影響します。筋肉を分解促進するコルチゾールを増やし、筋肉の成長を助けるテストステロンを減少させます。

    そのため、トレーニング直後の飲酒は筋肥大を妨げ、慢性的な飲酒は筋力低下の原因になります。

    お酒には、リラックス効果やコミュニケーションの促進など、良い面も確かにあります。

    しかし、健康面で見ればデメリットの方が多いのも事実です。

    それでも……つい飲んでしまうんですよね。

    芸能人がやらかしたニュースでもよく見ますが、人が何か失敗する時って結構な確率でお酒が絡むことも・・・

    私も皆さんも、飲みすぎには注意して、上手にお酒と付き合っていきましょうね。

  • 薬剤師ブログはじめます!!

    はじめまして!薬剤師の郷ツトム(HN)と申します!

    このたび、薬剤師ブログはじめることにしました!!

    私は薬剤師歴10年ほど。新卒からずっと薬局薬剤師として働いてきました。

    一般薬剤師→管理薬剤師を経験し、現在は複数店舗でエリアマネージャーとして勤務しながら、本社での業務や社員研修などにも携わっています。

    薬学生時代から私の心に刻まれた、薬剤師綱領・薬剤師行動規範のこの文言・・・

    薬剤師は、生涯にわたり知識と技能の水準を維持及び向上するよう研鑚するとともに、先人の業績に敬意を払い、また後進の育成に努める。

    私はこの言葉を薬剤師として働くうえで1つの軸としており、

    自身の学びや経験を、後輩薬剤師や薬学生に伝えながら働いています。

    このブログでは、薬剤師として調べたことや学んだことをわかりやすくまとめていこうと思っています。

    日々の業務で、

    「自分はこの薬や病気のこと深く理解できていないぞ」

    「この服薬指導は患者さんにどう伝えたら分かりやすいかな?」

    というような場面に出くわすこともしばしばです。

    スマホをポチポチしてすぐ疑問を解決できる事もあれば、

    書籍やガイドラインを見て深掘りする事が必要なこともあります。

    時には薬剤師同士が知識を共有しあう事で知識を深めることも!

    そうした日々の学びの積み重ねは、自分の薬剤師としてのスキルアップになっていると実感する事もあります。

    『知識を一つ身につけた!』この瞬間はドラクエのレベルが上がった時のような感覚ですよね(笑)

    ただ新しい知識を得ても、悲しいかな人間は忘れてしまう生き物でもあります。

    しかも医療は日進月歩で、新しい薬や情報も次々に出てきます。

    そこで、このブログはそんな“自分の学びの記録”にしつつも、

    会社や地域という枠にとらわれず、広い範囲で“誰かの役に立つ情報”にもなればいいな、という思いで始めてみました。

    基本は自分視点というか薬剤師視点でブログを書いていきますが、

    いろんな方に「なるほど」と思っていただけるように、できるだけ丁寧に書くように心がけます。

    薬剤師に限らず、医療介護に関わる方、薬の勉強をする学生の方、薬の事を知りたい一般の方などいろんな方に読んでいただきたいですし、読んでいただいた方に何らかの貢献が出来ればと思っています。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました! よろしくお願い致します!