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  • 熱性けいれんで注意すべき薬とは?抗ヒスタミン薬・テオフィリンの危険性と正しい対応

    熱性けいれんで注意すべき薬とは?抗ヒスタミン薬・テオフィリンの危険性と正しい対応

    熱性けいれんやてんかんの既往がある方には、注意が必要な薬があります。

    代表的なものとして、第一世代抗ヒスタミン薬やテオフィリン製剤は、けいれんに関与する可能性があるため、使用に慎重な判断が求められます。

    そのため、過去に熱性けいれんやてんかんを起こしたことがある場合は、医療機関を受診する際に必ず伝えることが大切です。

    また、医療従事者側も既往歴の確認を徹底する必要があります。

    てんかんは意識消失やけいれんを繰り返す疾患ですが、この記事では特に「熱性けいれん」に焦点を当て、病態と薬の関係についてわかりやすく解説します。

    ① 熱性けいれんとは

    どんな病気か

    熱性けいれんは、38℃以上の発熱に伴って突然起こるけいれん発作です。

    発作時には、次のような様子がみられます。

    • 名前を呼んでも反応がなく、視線が合わない
    • 白目をむいたり、意識を失って倒れる
    • 手足をピーンと伸ばして全身が硬くなる
    • ガクガクと大きく手足を動かしたり、細かく震える

    また、症状が強い場合には、このような変化がみられることもあります。

    • 顔色が悪く青白い
    • 唇や口元が紫色になる(チアノーゼ)
    • 呼吸が弱くなる

    熱性けいれんが起こるメカニズム

    熱性けいれんは、生後6ヶ月〜5歳頃の子どもに多くみられ、38℃以上の発熱時に起こります。

    特に、発熱開始後24時間以内など、体温が急激に上昇するタイミングで起こりやすいとされています。

    この年代の子どもは脳の発達がまだ未熟で、外からの刺激に対して興奮しやすい状態にあります。

    そのため、急激な発熱という強い刺激にうまく対応できず、神経細胞が過剰に興奮(異常な電気信号の発生)を起こします。

    その結果、脳から全身の筋肉へ異常な信号が伝わり、けいれん発作として現れると考えられています。

    また、熱性けいれんには遺伝的要因の関与も指摘されており、親や兄弟に既往がある場合には、発症リスクが高くなることが知られています。

    熱性けいれんとてんかん

    熱性けいれんとてんかんは、どちらも脳の神経細胞が過剰に興奮し、異常な電気信号(放電)が発生することで発作が起こるという点では共通しています。

    しかし、その性質には大きな違いがあります。

    熱性けいれんは、発熱に伴って一時的に起こる発作であり、多くは成長とともに自然にみられなくなります。

    一方で、てんかんは発熱の有無に関わらず発作を繰り返す慢性的な疾患で、脳の異常や遺伝的要因などが関与する場合があります。

    また、熱性けいれんを経験した子どもが将来的にてんかんへ移行するケースはありますが、その頻度は高くありません。

    熱性けいれんの分類

    熱性けいれんは、大きく「単純型」と「複雑型」に分けられます。

    • 単純型

    5分以内でおさまる

    症状は全身性で左右対称

    けいれんするのは24時間のうち1回のみ

    多くは予後良好

    • 複雑型

    15分以上続く

    症状に左右差がある

    短時間でけいれんを繰り返す

    一部でてんかんへの移行リスクがやや高いとされる

    多くの熱性けいれんは単純型に分類され、成長とともに症状が出なくなり、後遺症の心配もありません。

    複雑型の場合は再発や神経学的リスクがやや高くなるため、より慎重な対応が必要です。

    そのため、既往がある場合は「どのタイプだったか」も含めて医療機関に伝えることが重要です。

    ② 熱性けいれんと薬の注意点

    発作時・予防の薬

    再発予防や発作時には、ダイアップ坐剤(ジアゼパム)が使用されることがあります。

    発熱時に使用するケースもありますが、使用するタイミングや適応は個々の状況(発作のタイプや頻度など)によって異なります。

    そのため、事前に医師の指示を確認し、適切に使用することが重要です。

    坐剤を使用する際の注意点

    けいれん予防でダイアップ坐剤を使用している場合、解熱剤のカロナール坐剤(アセトアミノフェン)との使い方に注意が必要です。

    一般的に、坐剤は基剤の性質の違いにより、短時間で続けて使用すると吸収に影響が出る可能性があります。

    そのため、まず水溶性のダイアップ坐剤を使用した後に、30分以上あけてから脂溶性のカロナール坐剤を使用することが推奨されます。

    注意が必要な薬

    以下の薬は、けいれんのリスクを高める可能性があるため注意が必要です。

    • 第一世代抗ヒスタミン薬

    ※代表的な第一世代抗ヒスタミン薬を以下にまとめています。

    また、これらの成分は総合感冒剤や一般用医薬品(市販薬)にも含まれていることがあります。

    知らずに使用してしまうケースもあるため、成分表示を確認することが重要です。

    • テオフィリン製剤

    テオドール、テオロング、ユニフィルなどがあります。

    なぜけいれんが起こりやすくなるのか

    これらの薬は中枢神経に作用し、脳の興奮性を高める方向に働くことがあります。

    • 第一世代抗ヒスタミン薬

    第一世代抗ヒスタミン薬が熱性けいれんの既往がある方に注意が必要とされる理由の一つに、中枢神経への作用があります。

    これらの薬は血液脳関門を通過しやすく、脳内に移行してヒスタミン受容体を遮断します。

    ヒスタミンは脳を覚醒させる働きがあるため、抗ヒスタミン薬では眠気(鎮静作用)が現れます。

    一見すると、「脳を落ち着かせる=けいれんを起こしにくくする」と思われがちですが、実際はそう単純ではありません。

    ヒスタミンは覚醒だけでなく、脳の過剰な興奮を抑える役割(抑制系)にも関与しています。

    いわば「脳のブレーキ」のような働きをしています。

    そのため、ヒスタミンを遮断すると眠気などの鎮静作用が現れる一方で、このブレーキが弱まり、神経細胞が興奮しやすくなる側面もあります。

    このように、見かけ上は脳を落ち着かせているように見えても、一部では興奮を抑える働きが低下するため、結果として神経細胞が興奮しやすい状態になると考えられています。

    • テオフィリン

    テオフィリンが熱性けいれんの既往がある方に注意が必要とされる理由の一つに、中枢神経への刺激作用があります。

    テオフィリンは、気管支を広げる作用に加えて、脳に対しても刺激的に働くことが知られています。

    その作用の一つに、カフェインの作用でも知られている「アデノシン受容体を阻害する働き」があります。

    アデノシンは、脳の神経活動を抑える「ブレーキ」のような働きをしており、神経の過剰な興奮を防ぎ、眠気を引き起こす物質としても知られています。

    しかし、テオフィリンはこのアデノシンの働きを抑えてしまうため、神経細胞が興奮しやすい状態になります。

    抗ヒスタミン薬とテオフィリンの共通点

    第一世代抗ヒスタミン薬とテオフィリンは、一見すると作用は異なりますが、どちらも脳の抑制機能(ブレーキ)に影響を与えるという共通点があります。

    • 抗ヒスタミン薬 → 抑制系を遮断する
    • テオフィリン → 抑制系(アデノシン)を弱める

    このように、異なる仕組みであっても、結果として神経細胞が興奮しやすい状態となり、けいれんを起こすハードル(けいれん閾値)が下がる可能性があると考えられています。

    そのため、熱性けいれんの既往がある場合は、これらの薬の使用には注意が必要です。

    特に発熱時はもともとけいれんが起こりやすい状態であるため、より慎重な対応が求められます。

    発熱時でなければ使ってよい?

    原則として、既往がある場合は慎重投与または回避が推奨されています。(熱性けいれん診療ガイドラインでも注意喚起されています)

    これらの薬は発熱の有無にかかわらず、脳の興奮性に影響を与える可能性があるためです。

    そのため、「熱がないから大丈夫」とは考えず、体質としてのリスクを踏まえて使用を検討することが重要です。

    ③ 熱性けいれんを起こしたときの対応

     まずやるべきこと 

    • あわてず、けいれんが始まってからの時間を確認する
      5分以上続くかどうかが重要な目安になります
    • 衣服をゆるめて楽な姿勢にする
    • 顔を横に向けて吐物による窒息を防ぐ
      体の右側を下にするとよいとされますが、どちらでも構いません

     やってはいけないNG行動

    • 口の中に物を入れる(指・タオル・割りばしなど)
      舌を噛むのを防ごうとして行われがちですが、窒息や嘔吐のリスクがあり危険です 
    •  体を強く押さえつける
    •  無理に意識を戻そうとする

    受診の目安

    以下の場合はすぐに医療機関を受診してください。

    また、不安が強い場合は、救急車を呼んでも問題ありません。

    • 5分以上けいれんが続く
    • 意識がなかなか戻らない
    • 左右差がある
    • 初めての発作
    • 1日に何度も繰り返す

    一方で、以下のような場合は緊急性が低く、当日〜翌日の受診でもよいとされています。

    • 5分未満で自然におさまった
    • 全身性で左右差がない
    • 発作後に意識が戻り、普段に近い様子に回復している
    • 繰り返していない

    ただし、判断に迷う場合や不安がある場合は、無理に様子を見るのではなく、医療機関へ相談することが大切です。

    ④ まとめ

    熱性けいれんは、乳幼児に比較的よくみられる発作で、多くは予後良好とされています。

    ただし、薬の中にはけいれんに影響するものもあるため注意が必要です。

    • 第一世代抗ヒスタミン薬やテオフィリンは慎重に使用
    • 既往歴は必ず医療機関に伝える
    • 発作時は落ち着いて対応する

    「なぜ起こるのか」「なぜその薬に注意が必要なのか」を理解することで、薬の選択や受診の判断に役立てることができます。

    不安な点があれば、自己判断せず医療機関や薬剤師に相談しましょう。

  • 気管支喘息は成長とともに治る?〜小児喘息の緩解と再発リスクを薬剤師が解説〜

    結論から言うと、気管支喘息は成長とともに症状が落ち着いてくるケースが多い病気です。

    特に小児期に発症する喘息では、思春期前後から成人にかけて症状が軽くなったり、発作がほとんど出なくなったりする方も少なくありません。

    ただし、すべての人が必ず治るわけではなく、再発する可能性もあるため、正しい知識を持って付き合っていくことが大切です。

    今回は「なぜ小児喘息は成長とともに落ち着くことがあるのか」「どんな気管支喘息が緩解しやすいのか」「再発リスクはあるのか」を中心に解説します。

    ①気管支喘息の種類と特徴(症状と罹患リスクが高い患者層)

    気管支喘息には、子どもに多いタイプや成人に多いタイプ、薬や運動などの外的要因がきっかけで起こるタイプなど、さまざまな種類があります。

    【1】アトピー型喘息

    ・IgE抗体が関与するアレルギー反応から症状が現れる喘息

    ・ダニ、ハウスダスト、花粉などが原因

    ・小児喘息の多くがこのタイプ

    ・アトピー素因などアレルギー体質の人に多い

    【2】非アトピー型喘息

    ・IgEが関与せず、アレルギー以外の要因が引き金となる

    ・感染、冷気、煙、ストレスなどが誘因

    ・小児期に発症することは比較的少なく、成人発症が多い

    【3】小児喘息

    ・小児喘息とは「小児期に発症した気管支喘息」の総称

    ・小児喘息の中でも約7~9割がアトピー型喘息であり、これが今回のテーマの中心

    ・成長とともに緩解しやすい特徴がある

    【4】咳喘息

    ・咳のみが続き、喘鳴がない

    ・成人に多い

    ・気管支拡張薬により咳症状が改善する

    ・放置すると典型的な気管支喘息へ移行するリスクがある

    【5】アスピリン喘息

    アスピリン喘息は症状が重く、命に関わる危険性もあるので、症状が重いと感じたら医療機関へ連絡するか、救急車を呼んでください。

    アスピリン喘息の既往がある方は、アスピリン(バイアスピリン含む)やNSAIDsは禁忌となります。

    ・解熱鎮痛薬(NSAIDs)で発作を起こす

    ・成人発症がほとんど

    ・小児ではまれ

    ・激しい喘息発作(呼吸困難、喘鳴、咳)と強い鼻症状(鼻づまり、鼻水)が数十分から数時間で現れる

    ・鼻ポリープや慢性副鼻腔炎を合併しやすい

    【6】運動誘発喘息

    ・運動後に咳や息切れが出る

    ・喘息の一症状として現れることが多い

    ・医師の指導のもと適切な治療を行えば運動することは可能

    ②小児喘息が成長に伴って緩解していく流れ

    小児喘息の発症時期

    まず、小児喘息患者は3歳までにその60%が、6歳までに90%が発症すると言われていますが、乳児期(0歳)で小児喘息と診断されることもあります。

    小児喘息が良くなる人の割合

    報告により差はありますが、約50〜70%が思春期〜成人までに症状が軽快または消失すると言われています。

    緩解後に医師の指示のもと治療を中断し、5年以上症状が出ない状態を一般的に「治癒」といい、これを目標に治療を続けることが大切です。

    ただし、症状が重い場合やアレルギー体質(アトピー素因)の傾向にある方は、成人になっても喘息症状がある場合が少なくありません。

    なぜ成長とともに良くなるのか?

    【1】 気管支が成長して太くなる

    子供の細い気管支に比べ、大人の太い気管支は少しの炎症では狭くなりにくく喘息症状が出にくくなります。

    【2】免疫バランスの変化

    成長とともに免疫系が成熟し、アレルゲンやウイルスに対する過剰反応が少なくなります。

    【3】感染に強くなる

    風邪などの感染症をきっかけにした喘息症状が悪化するケースは減少します。

    ③再発リスクや成長後の注意点について

    症状が落ち着いたあとや、成人後も再発の可能性はゼロではありません。

    再発のきっかけ

    ・強いストレスや疲労

    ・環境変化(引っ越し、職場)

    ・アレルゲン曝露

    ・喫煙・受動喫煙

    成長してから症状が落ち着いた後も、アレルゲンや誘引物質を避けることは大切です。

    体の成長や月経などに関係するホルモンの影響

    女性ホルモンの影響が強いとされる場合は、内科・アレルギー科と婦人科など複数の診療科が連携し、ホルモンバランスを考慮した治療が望ましい場合もあります。

    ・女性は月経周期や更年期の影響で喘息症状が出やすくなる

    ・妊娠はホルモン変化に加え、横隔膜への圧迫が呼吸を浅くし、喘息悪化のリスクがある

    ・男性ホルモンも喘息に影響があるとされるが、思春期以降は男性の方が有病率は低い

    高齢期の注意点

    ・免疫力低下から風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症が発作要因となる

    ・喘息とCOPDの鑑別が重要

    ・喫煙歴があるとCOPDリスクが上昇

    ④まとめ

    小児喘息は、成長とともに症状が落ち着いてくることが多い病気です。

    ただし、自然に治るだろうと自己判断で治療を中断してはいけません。

    自己判断で治療を中止してしまうと、自覚症状のない慢性的な炎症により、気道のリモデリングが起こることがあります。

    気道のリモデリングとは炎症のため気道が損傷し修復される過程を繰り返し、気道の壁が厚く硬くなり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなる不可逆的な変化です。

    これが起こると、喘息が重症化・難治化し、吸入ステロイド薬が効きにくくなることがあります。

    大切なのは、医師の指導のもと、吸入薬などの治療を継続することや、喘息の原因となるアレルゲンなどを可能な限り避けることです。

    不安なことがあれば、自己判断せず、医師や薬剤師に相談しながら治療を続けていきましょう。

  • 「みずいぼ(伝染性軟属腫)って放っておいても大丈夫?薬や治療、感染の注意点を薬剤師が解説!」

    夏場になると子どもの肌に、ポツポツとした「みずいぼ」ができているのを見たことはありませんか?

    かゆみも痛みもあまりないのに、いつの間にか数が増えている…。

    実はこれ、「伝染性軟属腫(みずいぼ)」というウィルスによる皮膚感染症です。

    ここでは、薬剤師の視点から「みずいぼがどんな病気なのか」「どう治すのか」「感染を広げないために何を気をつければいいのか」まで、わかりやすく解説します。

    みずいぼは1歳〜10歳くらいの小児に多くみられる病気ですが、特にプールの季節に感染が増えます。

    感染のきっかけは、肌と肌の接触なので、兄弟姉妹やお友達とのスキンシップが多い時期に広がりやすいのです。

    大人でも感染することはありますが、免疫力がしっかりしているためほとんどは軽症です。

    一方で、アトピー性皮膚炎などで皮膚バリアが弱っている人は感染しやすく、治りにくい傾向があります。

    原因は「伝染性軟属腫ウィルス(ポックスウィルスの一種)」で、このウィルスが皮膚の表面に感染し、中央が少し凹んだ白っぽい丘疹を作ります。

    • 見た目の特徴:1〜5mm程度の丸いツヤのあるイボ。中央が少しくぼむ。
    • 痛みやかゆみはほとんど無いが、掻くと炎症を起こして赤くなることも。
    • 最初は数個でも、掻くことで自己感染してどんどん増える。
    • 経過としては自然に免疫ができ、半年〜2年ほどでそのまま治ることが多い。

    血液検査や特別な検査は基本的に不要で、皮膚科医が見た目で診断できます。

    みずいぼには以下の治療薬を使う事があります。

    • ワイキャンス外用薬
      2025年9月に承認。
      作用機序は明確にされていないが、中性セリンプロテアーゼの活性化を介し、表皮のデスモソームを脆弱化し、表皮構造を破壊することで塗布部位に水疱を形成する。
      水疱の形成により病巣皮膚が剥がれ落ち、ウィルス感染組織が除去されると考えられている。
      3週間に1回病院内で塗布。
    • MBFクリーム
      銀イオンの抗ウィルス作用がみずいぼの原因ウィルス(伝染性軟属腫ウィルス)を抑制する。
      さらに、もう1つの細分であるサクランは保湿効果と抗炎症作用がある。
      医師の診断後に自費で購入する必要あり。
    • ヨクイニン
      体内の水分バランスを整え、余分な水分や老廃物を輩出することで、肌のターンオーバーが活性され、イボを体外に排出する。
      また、免疫細胞の働きを整えることで症状改善に期待されると考えられています。
    • スピール膏
      サリチル酸が患部に浸透する事で、角質を柔らかくして皮膚をふやかし、いぼを剥がしやすくする。
      患部以外に貼ると、皮膚を傷つける恐れがあるので、患部のみに貼る。
      ただし、市販のスピール軟膏は、ミズイボへの適応がないので注意。

    上記の薬物治療は痛みがない治療として、患者さんの状況に合わせて選択されます。

    みずいぼの症状に加えて皮膚が乾燥しているとウィルスが広がりやすくなるため、保湿剤(ヘパリン類似物質やワセリンなど)で肌を守ることも大切です。

    アトピー性皮膚炎を併発している場合は、ステロイド外用薬でかゆみや炎症を抑え、掻かないようにするのも有効です。

    ■ 医療機関での処置

    皮膚科では「ピンセットで1つずつ取り除く(摘除法)」が一般的です。

    痛みを伴いますが、麻酔のシール(エムラクリームなど)を使うことで痛みを軽減できます。

    他にも、液体窒素による凍結療法もありますが、こちらも痛みを伴います。

    また、みずいぼは自然治癒も可能ですが、免疫がついて完治するまで時間がかかるので、他の人にうつしてしまったり、とびひ等の二次感染のリスクを考えると、病院を受診して治療することをお勧めします。

    ■ 感染を防ぐには

    • タオルや衣類の共用を避ける
    • 入浴やプール後はしっかり身体を洗う
    • 掻かないように短く爪を切る

    感染経路は主に接触感染ですが、肌と肌が触れやすい環境(プールなど)では広がる可能性があります。

    ■ 登園・登校について

    多くの自治体では、登園・登校の制限は不要です。

    ただし、医師が「感染を広げやすい」と判断した場合のみプールを控えるよう指導されることがあります。

    免疫力を落とさないことが大切です。

    ビタミンA・C・Eを多く含む野菜や果物をとり、睡眠と保湿ケアをしっかり行いましょう。

    皮膚のバリアを保つことで、ウィルスが侵入しにくくなります。

    みずいぼという名前ですが、実は中に入っているのは水ではなく、モルスクム小体というウィルスと変性した皮膚組織が混ざり合った白い粥状の塊です。

    潰すとウィルスが拡散してしまうため、絶対に自分でつぶさないようにしましょう。

    みずいぼはウィルスによる皮膚感染症で、自然に治る病気である反面、症状が広がったり、他の人への感染に注意が必要です。

    家庭でのスキンケアと、必要に応じた皮膚科での除去で、清潔な肌を保ちましょう。