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  • 気管支喘息とは?原因・症状・治療と生活で気をつけることを薬剤師が解説

    気管支喘息は薬による治療だけでなく、環境を整えることが大切な病気です。
    タバコの煙、ハウスダスト、カビ、ペット、気温や湿度、生活習慣など、日常生活の中に症状を悪化させる要因がたくさんあります。

    気管支喘息について投稿しようと思った理由は、患者さん本人、もしくは小児喘息の場合は保護者が予防することで、発作を少なくできる可能性があるとブログを読んでくれている方に伝えたかったからです。

    この記事では、薬剤師の立場から「気管支喘息とは何か」「なぜ起こるのか」「どう治療し、どう生活すればよいのか」をわかりやすく解説します。

    気管支喘息は、発作が起きたときだけ注意すればよい病気ではありません。
    症状がないように見える時期でも気道の炎症が続いており、日常生活のさまざまな場面に影響を与える慢性疾患です。

    ■ 主な症状

    気管支喘息でよくみられる症状には、以下のようなものがあります。

    • 喘鳴(ぜんめい)
       「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音を伴う呼吸
    • 息苦しさ・呼吸困難感
    • 咳(特に夜間・早朝に多い)

    これらの症状は、副交感神経が優位になる夜間〜明け方に悪化しやすく、症状が落ち着いている時期と悪化して発作を起こす時期を繰り返すという特徴があります。

    ■ 夜間・早朝の発作による睡眠への影響

    喘息発作は夜間から明け方に起こりやすく、咳や喘鳴で目が覚めてしまうことがあります。

    睡眠不足が続くと、日中の集中力低下から学校や仕事でのパフォーマンス低下や、疲れやすさや体調不良につながることもあり、生活の質(QOL)を下げる原因になります。

    ■ 学校・仕事・日常生活への影響

    症状が強い場合や、風邪などをきっかけに悪化するとこのような場面が生じることがあります。

    • 学校や仕事を欠席・早退する
    • 外出や旅行を控える
    • 人前で咳が止まらず不安を感じる

    特に小児では、体育の授業や運動会に参加できないことが精神的なストレスになることもあります。

    ■ 運動や活動の制限(QOLの低下)

    喘息が十分にコントロールされていないと活動量が制限されることがあります。

    • 運動中に息苦しくなる
    • 冷たい空気を吸うと咳が出る
    • 長時間走ることが難しい

    ただし、適切な治療でコントロールできていれば運動は原則可能です。
    「運動は禁止」ではなく、「発作を起こさないための準備と対策」が重要です。

    ■ 薬を継続して使う必要がある

    気管支喘息は、症状がない時期でも気道の炎症が続いている病気です。
    そのため、症状が落ち着いていて発作が出ていなくても吸入ステロイドなどの治療薬(コントローラー)を毎日継続することが重要になります。
    「苦しくないからやめる」→「再び悪化する」という悪循環に陥りやすいため、自己判断で中断しないことが大切です。

    ■ 発作時に備えて薬を持ち歩く必要がある

    外出先や学校、職場で突然発作が起こる可能性もあります。

    • 発作を抑える吸入薬(リリーバー)を携帯する
    • 小児では学校への薬の預け入れや管理

    このような対応が必要になることがあります。
    これは生活の制限ではなく、安心して日常生活を送るための備えと考えるとよいでしょう。

    気管支喘息は、アレルギー(IgE抗体)が関与しているかどうかによって、アトピー型喘息と非アトピー型喘息の大きく2つに分類されます。

    アトピー型喘息は小児に多く、アレルゲンに対して体が過剰に反応することで起こります。

    このタイプでは、特定のアレルゲンに反応して、IgE抗体(抗原特異的IgE)が増加し、肥満細胞からヒスタミンなどの炎症物質が放出されます。その結果、気道に炎症が起こり、気管支が狭くなって喘息症状が現れます。

    一方、非アトピー型喘息は成人以降に発症することが多く、血液検査で明確なアレルゲンやIgEの上昇がみられない(抗原非特異的)ケースが多く、原因特定が難しいとされています。

    感染や刺激など複数の要因が関与すると考えられています。

    ■アトピー型喘息の特徴

    • ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、花粉などのアレルゲン吸入が原因
    • 血液検査でIgE高値や好酸球増加がみられることが多い
    • アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎を合併しやすい
    • 環境整備(アレルゲン対策)が症状コントロールに重要

    ■非アトピー型喘息の特徴

    • 風邪などの感染症、冷気、タバコの煙、PM2.5などの刺激が発作の誘因になる
    • 血液検査でIgEが正常範囲のこともある
    • 加齢や生活環境の影響を受けやすく、気道の過敏性が症状に関与すると考えられている

    実は気管支喘息には、1つの検査だけで確定できる明確な診断基準はありません。

    そのため、症状や検査結果、治療への反応などをもとに、医師が総合的に判断して診断します。

    参考とされる項目は以下のものがありますが、医療機関の設備や検査機器によって実施できる検査は異なるので、すべての検査が必ず行われるわけではありません。

    喘息に特徴的な症状

    咳、喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難、胸部の圧迫感など

    可逆性の気流制限

    日によって症状が変動する
    β₂刺激薬の吸入で症状や呼吸状態が改善する

    気道の過敏性亢進

    少しの刺激でも気管支が収縮しやすい状態 
    慢性的な気道炎症により、冷気・運動・煙などの刺激で気管支が収縮しやすい

    ・アトピー素因の有無

    小児では重要な所見
    成人喘息では参考所見の一つ

    喀痰中好酸球

    3%以上で好酸球性炎症を示唆
    専門的な検査のため、実施できる医療機関は限られる

    肺機能検査(スパイロメーター)

    息を強く吐いた量などを測定し、気道の狭さを数値で評価する検査

    ・喘息に似た病気の除外

    咳喘息、COPD、心疾患、アトピー咳嗽など

    治療への反応

    吸入ステロイドなどの治療で、次回受診時に症状が改善しているかどうか
    小児では肺機能検査が難しいことも多く、経過や治療反応を重視して診断される

    気管支喘息は、1つの原因だけで発症する病気ではありません。

    体質・遺伝・感染・成長過程などが重なり合い、気道に慢性的な炎症や過敏性が生じることで発症すると考えられています。

    ■アレルギー反応(アトピー素因)

    アトピー素因は一般的にはアトピー体質と呼ばれるもので、ダニやハウスダスト、花粉などのアレルゲンに対して免疫が過剰に反応しやすい特徴があります。

    その結果、IgE抗体を介したアレルギー反応が起こり、気道に炎症が生じやすくなり、喘息を発症・悪化しやすくなります。

    アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息などのアレルギー疾患を起こしやすい体質を指します。

    すでに症状が出ている人だけでなく、蕁麻疹や湿疹などのアレルギー反応を繰り返しやすい人や、家族にアレルギー疾患がある人も含まれます。

    ■遺伝的要因

    家族に気管支喘息や、アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患がある場合、喘息を発症するリスクが高くなることが知られています。
    これは喘息そのものが遺伝するというより、「アレルギーを起こしやすい体質」が遺伝すると考えられています。

    ■感染症

    乳幼児期にかかるウイルス感染(RSウイルスなど)は、喘息の直接の原因ではありませんが、発症のきっかけになることがあります。
    気道が未熟な時期に強い感染を受けることで、気道の炎症や過敏性が残り、その後の喘息発症につながると考えられています。

    ■年代・性別差

    • 小児期では男児に多い
    • 思春期以降は男女差が小さくなる、または女性に多くなる傾向がある

    この違いには、気道の太さの違いやホルモンバランスの変化が関与していると考えられています。

    ■地域差

    • 日本では黄砂が多い地域(九州地方や中国地方)で症状悪化がみられることがある
    • 寒暖差の大きい地域では発作が起こりやすい
    • 海外では地域差や調査方法がそれぞれ異なるが、インド、バングラディシュ、イギリスなど大気汚染の強い国でリスクが高いとされる

    ■アレルゲン

    • ダニ
    • ハウスダスト(室内のホコリ。ダニの死骸やフンを含む)
    • カビ
    • ペットの毛・フケ
    • 花粉

    免疫(IgE)が関与する原因物質なのでアトピー型喘息では特に重要です。
    ただ、 非アトピー型でも悪化因子になることはあります。

    ■刺激・環境による発作誘因

    • タバコの煙(受動喫煙含む)
    • PM2.5・黄砂
    • 排気ガス
    • 線香・お香・アロマの煙
    • 石油ストーブなど暖房器具の排気
    • 掃除機・布団の上げ下ろし時の粉塵

    これらはアレルゲンではありませんが、吸い込むと直接気道を刺激するため、気道の過敏性が高い方では発作を起こしやすくなります。

    アトピー型・非アトピー型どちらでも発作の引き金となりえますが、特に非アトピー型では、アレルゲンよりもこうした刺激が主な原因となっていることが多いため重要です。

    ■体の状態・行動による発作誘因

    これらは環境中の物質ではなく、体調や行動の変化によって気道が過敏になることで起こる発作誘因です。

    • 運動(運動誘発喘息)
    • 風邪・ウイルス感染
    • 冷たい空気の吸入
    • 気温・湿度の急激な変化
    • 強いストレス・疲労

    これらの状態になることもアトピー型・非アトピー型に関わらず、普段コントロール良好の方でも発作の原因になることがあります。

    ■対処法

    気管支喘息は、発作が起きてから対処する病気ではなく、発作を起こさないように予防がとても重要な病気です。

    そのためには、自分(またはお子さん)の喘息発作の引き金となる原因を、ある程度把握しておくことが大切になります。

    何に対してアレルギーを持っているかは、病院で血液検査を行い、ある程度は把握することが可能です。

    アレルゲンでなくとも、喘息発作の原因となっているものが分かっていれば、原因物質に近づかない、掃除、換気、禁煙、マスク、休養などの対策が出来ます。

    原因物質をゼロにすることが出来なくても、量を減らすことでも効果が期待出来ます。

    気管支喘息は、「原因を知る → 避ける工夫をする → 薬で炎症を抑える」この積み重ねで、日常生活を大きく制限せずに過ごせる病気です。

    吸入ステロイドなどの長期管理薬を継続することで、気道の炎症や過敏性そのものを抑え、発作を起こしにくい状態を保つことができます。

    症状が安定していれば、医師の指示のもと、事前に吸入薬を準備して、部活動や体育で運動することが可能なケースも少なくありません。

    発作を我慢するのではなく、起こさないようにすることが、安心して生活するための近道です。

    気管支喘息の治療は、気道の慢性的な炎症を抑えることが基本です。
    症状があるときだけ治療するのではなく、発作を起こさないための継続治療が重要になります。
    以下にそれぞれの薬の代表例を記載しています。

    【1】 吸入ステロイド(ICS):第一選択薬

    フルチカゾン(フルタイド)、ブデソニド(パルミコート)

    • 気道の慢性炎症を抑える、喘息治療の中心となる薬
    • 症状がない時期でも毎日使用する
    • 局所作用(ほぼ気管支だけに作用)なので、正しく使えば全身への副作用は少ない

    気管支喘息の症状がなく苦しくない状態は、病気が治っているのではなく、薬により炎症を抑え続けているからです。
    吸入ステロイドによる口腔カンジダや嗄声などの副作用防止のため、吸入後にうがいを行います。



    【2】 β₂刺激薬

    短時間作用型(SABA)

    サルブタモール(サルタノール)、プロカテロール(メプチン)

    長時間作用型(LABA)

    ツロブテロール(ホクナリン)、サルメテロール(セレベント)、インダカテロール(オンブレス)

    • 気管支を広げ、息苦しさを速やかに改善
    • SABAは発作時の頓用薬(リリーバー)
    • LABAは単独使用は推奨されず、吸入ステロイドと併用が基本

    発作を抑える薬と炎症を抑える薬とで役割は異なります。

    β₂刺激薬も吸入後のうがいが推奨されています。

    【3】抗コリン薬

    チオトロピウム(スピリーバ)、イプラトロピウム(アトロベント)

    吸入ステロイドやβ₂刺激薬で効果不十分な場合の追加治療や、COPD合併例や高齢者の喘息に使われることがあります。
    閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症には禁忌です。

    【4】配合剤

    サルメテロール・フルチカゾン(アドエア)

    ブデソニド・ホルモテロール(シムビコート)

    フルチカゾン・ホルモテロール(フルティフォーム)

    フルチカゾン・ビランテロール(レルベア)

    インダカテロール・グリコピロニウム・モメタゾン(エナジア)

    フルチカゾン・ウメクリジニウム・ビランテロール(テリルジー)

    ブデソニド・グリコピロニウム・ホルモテロール(ビレーズトリ)

    複数の吸入剤を併用するよりも、配合剤で手間を減らしたり、吸入の間違いを予防することで治療の継続がしやすくなるという利点があります。
    また、気管支を広げた状態で吸入ステロイドを届けることができるため、より高い治療効果が期待されます。

    【5】ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)

    モンテルカスト(シングレア)、プランルカスト(オノン)

    • アレルギーに関わる炎症物質の働きを抑える
    • 軽症喘息や小児喘息で使われることが多い
    • アレルギー性鼻炎を合併している場合に有効

    【6】テオフィリン徐放剤

    テオフィリン(テオドール)

    • 気管支拡張作用をもつ
    • 血中濃度管理が必要
    • 主要な治療薬で効果不十分の場合に有効な補助治療として使われることがある



    【7】経口ステロイド薬

    プレドニゾロン(プレドニン)

    • 強力な抗炎症作用
    • 急激な悪化時や重症例で短期間使用
    • 生命にかかわる重症発作時ではパルス療法を行うことがある

    ■ その他の治療(補足)

    • 従来の治療で効果不十分な重症喘息に対しては生物学的製剤を検討する
    • 重症発作時には酸素吸入やボスミン皮下注など
    • 補助的に抗ヒスタミン薬や漢方薬が用いられることも
    • アレルゲン免疫療法で体質改善を目指すことも出来る場合がある
    • 病院や自宅でネブライザーを用いた吸入を行うこともある

    気管支喘息の治療は、年齢や症状の程度、生活状況などを考慮し、主治医の判断で行われます。一般的には、吸入ステロイドを長期管理薬として継続し、発作時にはβ₂刺激薬を使用します。必要に応じて他の薬剤を追加し、段階的に治療を調整していきます。
    詳しくは厚生労働省のガイドラインをご参照ください。

    【厚生労働省:成人喘息の疫学、診断、治療と保険指導、患者教育】
    https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-07-0001.pdf

    【厚生労働省:小児喘息の疫学、診断、治療と保険指導、患者教育】
    https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-06-0007.pdf

    実は、喘息を経験しながらも一流のアスリートとして活躍したのはこちらの方々です。

      羽生結弦さん(フィギュアスケート)

      藤川球児さん(元プロ野球選手)

      岡崎慎司さん(元サッカー日本代表)

    気管支喘息は、適切な治療と自己管理を続けることで、日常生活はもちろん、スポーツや仕事、やりたいことを諦めずに続けることが可能な病気です。
    大切なのは我慢することではなく、正しく知り、上手につきあうことです。
    お子さんであれば、保護者が病気や薬のことを理解し、治療のサポートを行う必要があります。

    喘息の症状や治療内容、薬の使い方には個人差があります。不安なことや分からないことがあれば、自己判断せず、主治医や薬剤師に相談しながら治療を進めていきましょう。

  • 「みずいぼ(伝染性軟属腫)って放っておいても大丈夫?薬や治療、感染の注意点を薬剤師が解説!」

    夏場になると子どもの肌に、ポツポツとした「みずいぼ」ができているのを見たことはありませんか?

    かゆみも痛みもあまりないのに、いつの間にか数が増えている…。

    実はこれ、「伝染性軟属腫(みずいぼ)」というウィルスによる皮膚感染症です。

    ここでは、薬剤師の視点から「みずいぼがどんな病気なのか」「どう治すのか」「感染を広げないために何を気をつければいいのか」まで、わかりやすく解説します。

    みずいぼは1歳〜10歳くらいの小児に多くみられる病気ですが、特にプールの季節に感染が増えます。

    感染のきっかけは、肌と肌の接触なので、兄弟姉妹やお友達とのスキンシップが多い時期に広がりやすいのです。

    大人でも感染することはありますが、免疫力がしっかりしているためほとんどは軽症です。

    一方で、アトピー性皮膚炎などで皮膚バリアが弱っている人は感染しやすく、治りにくい傾向があります。

    原因は「伝染性軟属腫ウィルス(ポックスウィルスの一種)」で、このウィルスが皮膚の表面に感染し、中央が少し凹んだ白っぽい丘疹を作ります。

    • 見た目の特徴:1〜5mm程度の丸いツヤのあるイボ。中央が少しくぼむ。
    • 痛みやかゆみはほとんど無いが、掻くと炎症を起こして赤くなることも。
    • 最初は数個でも、掻くことで自己感染してどんどん増える。
    • 経過としては自然に免疫ができ、半年〜2年ほどでそのまま治ることが多い。

    血液検査や特別な検査は基本的に不要で、皮膚科医が見た目で診断できます。

    みずいぼには以下の治療薬を使う事があります。

    • ワイキャンス外用薬
      2025年9月に承認。
      作用機序は明確にされていないが、中性セリンプロテアーゼの活性化を介し、表皮のデスモソームを脆弱化し、表皮構造を破壊することで塗布部位に水疱を形成する。
      水疱の形成により病巣皮膚が剥がれ落ち、ウィルス感染組織が除去されると考えられている。
      3週間に1回病院内で塗布。
    • MBFクリーム
      銀イオンの抗ウィルス作用がみずいぼの原因ウィルス(伝染性軟属腫ウィルス)を抑制する。
      さらに、もう1つの細分であるサクランは保湿効果と抗炎症作用がある。
      医師の診断後に自費で購入する必要あり。
    • ヨクイニン
      体内の水分バランスを整え、余分な水分や老廃物を輩出することで、肌のターンオーバーが活性され、イボを体外に排出する。
      また、免疫細胞の働きを整えることで症状改善に期待されると考えられています。
    • スピール膏
      サリチル酸が患部に浸透する事で、角質を柔らかくして皮膚をふやかし、いぼを剥がしやすくする。
      患部以外に貼ると、皮膚を傷つける恐れがあるので、患部のみに貼る。
      ただし、市販のスピール軟膏は、ミズイボへの適応がないので注意。

    上記の薬物治療は痛みがない治療として、患者さんの状況に合わせて選択されます。

    みずいぼの症状に加えて皮膚が乾燥しているとウィルスが広がりやすくなるため、保湿剤(ヘパリン類似物質やワセリンなど)で肌を守ることも大切です。

    アトピー性皮膚炎を併発している場合は、ステロイド外用薬でかゆみや炎症を抑え、掻かないようにするのも有効です。

    ■ 医療機関での処置

    皮膚科では「ピンセットで1つずつ取り除く(摘除法)」が一般的です。

    痛みを伴いますが、麻酔のシール(エムラクリームなど)を使うことで痛みを軽減できます。

    他にも、液体窒素による凍結療法もありますが、こちらも痛みを伴います。

    また、みずいぼは自然治癒も可能ですが、免疫がついて完治するまで時間がかかるので、他の人にうつしてしまったり、とびひ等の二次感染のリスクを考えると、病院を受診して治療することをお勧めします。

    ■ 感染を防ぐには

    • タオルや衣類の共用を避ける
    • 入浴やプール後はしっかり身体を洗う
    • 掻かないように短く爪を切る

    感染経路は主に接触感染ですが、肌と肌が触れやすい環境(プールなど)では広がる可能性があります。

    ■ 登園・登校について

    多くの自治体では、登園・登校の制限は不要です。

    ただし、医師が「感染を広げやすい」と判断した場合のみプールを控えるよう指導されることがあります。

    免疫力を落とさないことが大切です。

    ビタミンA・C・Eを多く含む野菜や果物をとり、睡眠と保湿ケアをしっかり行いましょう。

    皮膚のバリアを保つことで、ウィルスが侵入しにくくなります。

    みずいぼという名前ですが、実は中に入っているのは水ではなく、モルスクム小体というウィルスと変性した皮膚組織が混ざり合った白い粥状の塊です。

    潰すとウィルスが拡散してしまうため、絶対に自分でつぶさないようにしましょう。

    みずいぼはウィルスによる皮膚感染症で、自然に治る病気である反面、症状が広がったり、他の人への感染に注意が必要です。

    家庭でのスキンケアと、必要に応じた皮膚科での除去で、清潔な肌を保ちましょう。

  • 【薬剤性・血小板減少】薬で血小板が減るのはなぜ?原因・症状・対処法を薬剤師がわかりやすく解説

    薬の副作用欄で「血小板減少」という言葉を見たことはありませんか?

    血小板は出血を止めるための重要な細胞なので、数が減るとあざが増えたり、出血が止まりにくくなることがあります。

    今回は、薬が原因で起こる「薬剤性血小板減少」について、薬剤師の視点で分かりやすく説明します。

    血小板が少なくなると、体の止血力が弱くなり、次のような症状がみられます。

     ■身体に出やすい症状

    • 青あざが増える(皮下出血)
    • 鼻血・歯ぐきなど粘膜からの出血
    • 皮膚に赤い点が出る(点状出血)
    • 月経量の増加(女性)
    • 血尿、黒色便(消化管出血)

    ■検査値

    • 血小板の正常値:15~35万/μL

      10万/μL以下で血小板減少とされます。

      5万/μL以下であざや出血が増えやすくなり、1万/μL以下では脳出血など命に関わる出血の可能性があります。
    • 白血球・赤血球・ヘモグロビンの低下

      これらの値が低下するケースに関しては、 後述する「骨髄抑制タイプ」で説明します。

    ■気づきやすいタイミング

    • 服用開始後 数日〜数週間以内
    • 免疫反応が原因の場合は、急激に血小板が落ちて気づくことが多い

    薬による血小板減少は、大きく 「免疫反応タイプ」 と 「骨髄抑制タイプ」 の2つに分けられます。

    【1】免疫反応タイプ

    薬剤性免疫性血小板減少(DITP:Drug-Induced Immune Thrombocytopenia)

    服用した薬が血小板と結合し、その結合体を異物と認識した免疫系が血小板を攻撃・破壊しようとすることで起こります。

    原因となっている薬を中止すると、数日〜1週間で改善することが多いのが特徴です。

    ■原因となりやすい薬

    • 抗生物質:ペニシリン、バンコマイシン、リファンピシン、セフトリアキソン、ST合剤 など
    • 抗けいれん薬:カルバマゼピン
    • 抗血小板薬:チクロピジン
    • 甲状腺薬:チアマゾール、プロピルチオウラシル
    • その他:一部の NSAIDs、H₂ブロッカー、利尿薬(ヒドロクロロチアジド)など

    ■発症の特徴

    • 急激に血小板数が数千~数万/μLまで落ちることがある
    • 同じ薬を再使用すると強く出やすい
    • 原因薬を止めれば数日で回復
    • 発生頻度はまれ

    【2】骨髄抑制タイプ

    骨髄における造血機能が低下するタイプ

    薬の影響で骨髄で血液を作る力そのものが低下するため、

    血小板だけでなく、白血球や赤血球も一緒に下がりやすいのが特徴です。

    ■原因となる薬

    • 抗がん剤:シスプラチン、パクリタキセル など
    • 分子標的薬:イマチニブ など
    • 抗ウイルス薬:ガンシクロビル
    • 免疫抑制剤:アザチオプリン、メトトレキサート
    • 抗菌薬:リネゾリド など

    ■ 発症の特徴

    • 徐々に血小板が低下
    • 投与量や投与間隔の調整で改善することもある
    • 抗がん剤治療では一般的にみられるため、定期的な血液検査が必須

    • 高齢者
    • 肝機能・腎機能が低下している人
    • 抗がん剤・免疫抑制剤を使用している場合
    • 相互作用を起こしやすい薬を併用している人
    • 過去に薬剤性血小板減少を起こした人

    ■ プレドニンについて(誤解されやすいポイント)

    ここでよく誤解されやすい薬がプレドニン(ステロイド)です。

    上記の項目に免疫抑制剤は血小板減少を起こす可能性があると記載していますが、プレドニンもそれに当てはまるのかと思った方がいるかもしれません。

    プレドニンはその免疫抑制作用により血小板減少を起こす薬ではありません。

    むしろ免疫細胞の血小板への攻撃を抑制するので、免疫性血小板減少症(ITP)、薬剤性免疫性血小板減少(DITP)の治療薬として使われ、血小板数を増やす方向に働く薬です。

    血小板が著しく減ると、出血が止まらず命に関わることもあります。

    症状がある場合は必ず医療機関へ相談しましょう。

    ■ 緊急受診が必要な症状

    • 20分以上止まらない鼻血・出血
    • 血尿、黒色便
    • 強い頭痛(脳出血の可能性)
    • 息苦しさ、めまい、失神

    ■ 早めに受診すべき症状

    • あざが急に増えてきた
    • 点状出血が広がる
    • 鼻血や歯ぐきからの出血が多い
    • 月経量が大幅に増える

    ■ 自宅で様子を見てもよい場合

    • 軽いあざのみ
    • 他の危険サインがない

      ※ただし自己判断は避け、早めに医療機関へ相談する

    ■ 出血時にできる応急処置

    例えば、出血が続く間に自分でもできる応急処置として圧迫止血があります。

    圧迫止血とは出血している部位を乾いた布やガーゼで強く押さえ、数分間圧迫し続ける止血法です。

    手足の出血の場合は、もし可能なら患部を心臓より高い位置にすると止血しやすくなります。また、氷で患部を冷やすことでも止血効果があります。

    本人ではない救助者が止血を行う場合は手袋などの感染症予防を必ず行いましょう。

    ■ 日常生活での注意

    • 出血しやすい時期のシェービングや激しい運動は控える
    • 打撲に注意
    • 服薬中止は自己判断せず必ず医師・薬剤師と相談

    血小板が減る原因は薬による副作用だけではありません。下記の様なケースもあります。

    免疫性血小板減少症(ITP:Immune thrombocytopenia)

    指定難病となっており、ウイルス感染・予防接種がきっかけと考えられることもありますが、原因が特定できないケースがほとんどです。

    妊娠性血小板減少

    妊娠による血液量増加に対して血小板の濃度が下がるために起こります。
    ただし、血小板が10万/μL未満の場合は、妊娠高血圧症候群に関連した疾患や免疫性血小板減少の可能性があるため、精密検査が必要になってきます。

    血液疾患(白血病、再生不良性貧血など)

    その他の血液疾患では血小板以外の検査値でも異常値を示す場合がほとんどです。

    血小板減少と似ているようで、実はまったく異なるケースもあります。

    まず、抗血小板薬や抗凝固薬は血液を固まりにくくする薬ですが、血小板の数そのものを減らす薬ではありません。

    例えばバイアスピリンは、血小板凝集を抑制する薬であって、血小板を減らして血液をサラサラにする薬ではありません。

    つまり、バイアスピリンが効きすぎた結果として血小板減少が起こるわけではありません。

    また、抗凝固薬ヘパリンには、ヘパリン起因性血小板減少(HIT)という特殊な副作用があります。

    これは「薬剤性免疫性血小板減少(DITP)」とは免疫反応のメカニズムが異なるため、別の病態として扱われます。

    このように、血小板減少 といっても原因はさまざまです。

    「あざが増えた」「鼻血が止まりにくい」など、少しでも気になる症状があれば早めに相談することが大切です。

    迷ったときは、薬剤師に相談してください。

  • 【横紋筋融解症とは?薬剤師がわかりやすく解説】

    横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)は、

    筋肉が壊れて中の成分(ミオグロビンなど)が血液中に流れ出てしまう危険な副作用です。

    早めに気づけば治療できる一方、

    放置すると腎不全を引き起こすことがあり、命にも関わります。

    ここでは、薬剤師として気になるポイントをまとめます。

    ■ 身体症状

    • 筋肉痛・筋肉のこわばり(特に太もも・ふくらはぎ・肩などの大きな筋肉で起こりやすい)
    • 筋力低下(力が入りにくい)
    • 尿の色が濃い・コーラのような赤褐色の尿
    • むくみ

    ■ 体調変化

    • 強いだるさ
    • 発熱
    • 吐き気
    • 動悸・息切れ(重症例)

    ■ 検査値の異常

    • クレアチンキナーゼ(CK、CPK)の大幅上昇
      骨格筋の破壊が原因です。正常値のおよそ5倍以上の1,000U/L以上で筋障害を疑い、5,000U/L以上で重症レベル、超重症例では100,000U/Lを超えることもあります。
    • ミオグロビン上昇
      赤褐色尿の原因はミオグロビン尿によるものです。筋肉から漏れ出したタンパク質が原因で、血液中ミオグロビンがおよそ1.5mg/dl以上は、他の項目と併せて診断の目安の1つとなります。
    • 尿素窒素(BUN)、クレアチニン上昇(Cr)
      腎機能の低下を示します。筋肉の破壊によって生じた物質が腎臓の負担となるためです。輸液による水分補給、原因薬剤の中止、腎機能が著しく低下した場合は血液透析などの適切な治療を行えば元の健康な腎機能に戻る可能性があります。

    この他にも高K血症、低Ca血症、高P血症等の電解質異常や、ASTやLDH等の肝機能に関する検査値も上昇します。

    ■ どのタイミングで症状を感じやすいか

    • 薬を飲み始めて数日〜数週間以内に出ることが多い
    • 運動量が急に増えた後
    • 脱水状態(夏場・発熱)で悪化しやすい

    ただし、スタチン系による横紋筋融解症は服用開始から数か月後に徐々に発症するケースがあるので、しばらくは注意が必要です。

    ■ スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)

    • アトルバスタチン
    • シンバスタチン
    • ロスバスタチン
    • プラバスタチン

    スタチン系の中でもプラバスタチンやロスバスタチンのような水溶性の薬は、脂溶性の薬よりも筋肉への移行が少ないので、比較的横紋筋融解症が起こる可能性は低いと言われています。

    ■ フィブラート系

    • フェノフィブラート
    • ベザフィブラート

    フィブラート系単独でも横紋筋融解症リスクがありますが、スタチン系との併用時にさらにリスクが高くなることが知られています。

    ■ その他

    • エゼチミブ
    • 抗精神病薬
    • 抗うつ薬
    • 抗菌薬(キノロン系など)
    • 抗てんかん薬

    頻度は薬により大きく異なり、すべてに当てはまるわけではありませんが、この項目の一部の薬で横紋筋融解症の可能性があります。

      横紋筋融解症の原因薬ごとに共通・確定した機序はまだありません。

    ただ、薬ごとに有力とされる推定メカニズムが存在しているので、あえてふれておきます。



    ■スタチン系

    スタチン系は筋肉のエネルギー産生に関するミトコンドリアの機能も阻害します。
    それにより筋肉へのエネルギー供給が減少することで、筋細胞が損傷してしまいます。
    さらにその損傷が深刻になると横紋筋融解症に発展してしまうと考えられています。

    ■フィブラート系

    フィブラート系もミトコンドリア障害や代謝異常が推定されていますが確立はされていません。

    ■ その他

    頻度は薬の種類により大きく異なりますが、スタチン+相互作用薬の併用時は注意が必要です。

    特にエゼチミブ単独では横紋筋融解症は極めて稀で、スタチンとの併用時の症例報告が中心です。

    他にも抗精神病薬、抗うつ薬、キノロン系等の抗菌薬、抗てんかん薬ではいずれも単一の確立した機序があるわけではなく、複数の要因が重なった場合(脱水、電解質異常、免疫反応、悪性症候群、セロトニン症候群、高アンモニア血症等)を介して横紋筋融解症が起こるのではないかと考えられています。

    ■ 薬物相互作用

    数年前にはフィブラート系はスタチン系と「原則併用禁忌」でしたが、見直されて「併用注意」となっています。併用により横紋筋融解症リスクは上がるので注意が必要です。

    他の薬がスタチンの代謝酵素(CYP3A4など)を阻害すると血中濃度が上昇し、リスク増加します。
    複数のスタチン系薬に対してクラリスロマイシンは併用注意、シクロスポリンは併用注意もしくは併用禁忌があります。

    他にもアゾール系抗真菌薬や抗HIV薬等のCYP3A4阻害作用に注意が必要です。

    ■ 食べ物・生活習慣の影響

    • グレープフルーツジュース→CYP3A4代謝阻害で濃度上昇
    • 激しい運動 → 筋細胞の破壊を助長
      過度のトレーニングによるオーバーワークや脱水は横紋筋融解症の原因となる可能性があります。
    • 脱水(発熱・下痢・大量の汗) → 腎障害のリスク増、熱中症に注意

    ■ 年齢・体質

    • 高齢者(筋肉量が少なく代謝が低下)
    • 低体重・栄養不足


    ■ 基礎疾患

    • 腎機能低下
      腎機能低下者は横紋筋融解症を起こすと急性腎不全のリスクが非常に高く、重症化しやすい傾向にあります。
    • 肝機能障害
    • 甲状腺機能低下症(潜在性も含む)
      スタチン筋症と甲状腺機能低下症は、どちらも筋力低下、筋痛、疲労感などの症状を引き起こす可能性があり、併発すると症状が強まることがあります

    • 急性腎不全(最も重大)
    • 高カリウム血症による不整脈
    • 慢性腎臓病
    • 重症化すれば命の危険も

    すぐに治療すれば後遺症なく回復するケースが多いです。

    横紋筋融解症そのものよりも、腎障害や電解質異常が命に関わるため、早期対応が最重要です。

    ■ 受診の目安

    • 筋肉痛やしびれがある
    • 赤褐色尿がある
    • 脱力感

    上記の症状があり横紋筋融解症が疑われる場合は、すぐに内科や腎臓内科を受診してください。

    さらに意識障害、38.5℃以上の高熱、呼吸困難、胸痛があれば救急受診しましょう。

    ■ 生活習慣アドバイス

    • 水分をしっかり取る
    • 急な無理な運動を避ける
    • 発熱・脱水時は医師に相談


    ■ 薬の中止について

    • 自己判断で中止しないこと
    • 医師が必要と判断した場合は、スタチンの種類変更や減量を行う

    横紋筋融解症が疑われるとき、CK(クレアチンキナーゼ)の数値が重要な判断材料 になります。

    筋肉のトラブルがあっても、CKが軽度上昇(目安:500 U/L 前後)で、症状が軽い場合は、薬を続けながら経過をみることが多いとされています。

    一方で、CKが1,000 U/L を超える場合、または基準値の 10倍以上の上昇がある場合 は、

    各種ガイドラインや総説でも「原因となる薬剤の中止、減量、または他剤への切り替えを検討する」ことが推奨されます。

    これは、CKの大幅な上昇が腎障害のリスクを高めること、横紋筋融解症に進展しやすいため早期介入が重要なことが理由とされています。

    ただ、CK値だけで判断せず、「症状の有無」、「尿の色」、「腎機能」を総合的に評価する事が重要です。

  • 夏に多い「とびひ(伝染性膿痂疹)」とは? 薬剤師が原因、治療、家庭での注意点をわかりやすく解説

    夏になると、子どもの肌にポツポツとできる水ぶくれ。
    「虫刺されかと思ったら、かさぶたになって広がってきた…」
    それ、もしかするととびひ(伝染性膿痂疹)かもしれません。
    今回は、薬剤師の視点からとびひの原因・症状・治療・家庭での注意点をわかりやすくまとめます。

    • 主に乳幼児〜小学生が多い(特に2〜6歳)、プールでの集団感染の報告もある
    • 皮膚が薄く、汗やかゆみによるかきむしり行動が多いことが原因
    • 夏の高温多湿環境で菌が増殖しやすい
    • まれに高齢者や糖尿病患者でも発症(免疫低下時)

    とびひは患部を触った手や指を介して接触感染します。

    水ぶくれやただれから出る浸出液の中に原因菌が存在し、それらが広がっていくためで、感染力が高いのも特徴の一つです。

    健康な皮膚であれば感染リスクは低いのですが、湿疹、アトピー、虫刺され、傷、あせも、皮膚乾燥などがあると感染リスクが高くなります。

    また、鼻の中には原因菌が常在しているので、小鼻や口まわりに傷があると感染しやすくなります。

    鼻をほじる事でも、その手から他の部位や傷口に原因菌が広がることもあります。

    兄弟で感染しあう事もあるので、環境や生活習慣にも注意が必要かもしれません。

    ■症状

    • 水ぶくれ(水疱)やかさぶた(痂皮)ができる
    • かゆみ・痛みを伴い、掻くと周囲に広がる
    • 顔・手足・体幹などに多く見られる
    • 重症例では発熱やリンパ節の腫れを伴うことも

    ■原因菌

    • 黄色ブドウ球菌:水ぶくれができる「水疱性膿痂疹」
    • A群β溶血性レンサ球菌:かさぶたになる「痂皮性膿痂疹」

    どちらも人の皮膚や鼻腔に常在する菌です。

    かき壊しなどの傷口から入り込み、炎症や感染を起こします。

    ■検査と診断

    多くの場合は見た目の症状で診断されます。

    再発や重症例では、膿から細菌を培養して原因菌を特定することもあります。

    予後

    適切な治療を行えば、1週間程度で治癒します。

    ただし、溶連菌型では急性糸球体腎炎の合併に注意が必要です。

    外用抗菌薬(軽症〜中等症)

    近年ではゲンタマイシンに原因菌が耐性を示し、無効であることがあります。

    感染範囲が狭い場合等は、下記の様な抗菌薬の塗り薬が中心で治療を行っていきます。

    • フシジン酸ナトリウム(フシジンレオ軟膏)
    • ナジフロキサシン(アクアチム軟膏)
    • テトラサイクリン(アクロマイシン軟膏)

    患部を石けんでやさしく洗いシャワーで洗い流した後に、外用薬を塗ってください。

    かさぶたの下にも菌が残っているため、清潔を保つことが重要です。

    塗り薬を塗って、さらにガーゼで保護するのが基本です。

    感染が広がっている場合や、集団感染を防ぐ目的で抗生物質の内服を行います。

    原因菌によって下記の様なセフェム系、ペニシリン系、ペネム系などが選択されます。

    • セファレキシン(ケフレックス)
    • セフカペンピボキシル(フロモックス)
    • アモキシシリン(サワシリン)
    • ファロペネム(ファロム)

    黄色ブドウ球菌が原因である場合はセフェム系が第一選択となりますが、溶連菌ではペニシリン系が第一選択となります。

    3~4日間抗菌薬を内服しても効果が無く、耐性菌(MRSA)が疑われる場合は、耐性のない抗菌薬に変更を検討します。

    かゆみ対策(補助療法)

    • かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬(アレグラ、ザイザルなど)でかきむしり防止。
    • 皮膚を傷つけないことが治癒の早道です。


    清潔を保つ

    • 1日1回は石けんで幹部をやさしく洗う
    • 泡で包み込むように洗い、強くこすらない
    • 患部が水やお湯で濡れるのは問題ないが、湯舟は細菌が繁殖しやすいので、シャワーが望ましい。

    ■感染予防のために

    • 手や皮膚を手洗いやシャワーなどで清潔に保つ
    • 傷口は洗って、ガーゼなどで保護する
    • 爪を短く切り、ひっかいて皮膚を傷つけないようにする
    • 症状が悪化したり、とびひが広がることを防ぐために触ったり掻いたりしない
    • タオルや衣類は感染者と共用しない

    入浴時やプールでは、水を介して感染する事はありません。

    しかし感染者との入浴は接触感染する可能性があるので、感染時は兄弟別々に入浴しましょう。

    プールは他者への感染リスクと症状悪化も考えられるので、とびひの症状が治まるまではお休みするようにしましょう。


    とびひは、火の粉が飛ぶようにあっという間に広がる様子から、その俗称となりました。

    保育園では暖かい時期に感染が流行する事もありますし、兄弟間での感染や二次感染も多いです。

    特に梅雨時期から夏場にかけては皮膚科は混みあう事が多いので、早い時間帯に病院へ行ったり、予約をしてから行く事もおすすめします。

  • 薬剤師ブログはじめます!!

    はじめまして!薬剤師の郷ツトム(HN)と申します!

    このたび、薬剤師ブログはじめることにしました!!

    私は薬剤師歴10年ほど。新卒からずっと薬局薬剤師として働いてきました。

    一般薬剤師→管理薬剤師を経験し、現在は複数店舗でエリアマネージャーとして勤務しながら、本社での業務や社員研修などにも携わっています。

    薬学生時代から私の心に刻まれた、薬剤師綱領・薬剤師行動規範のこの文言・・・

    薬剤師は、生涯にわたり知識と技能の水準を維持及び向上するよう研鑚するとともに、先人の業績に敬意を払い、また後進の育成に努める。

    私はこの言葉を薬剤師として働くうえで1つの軸としており、

    自身の学びや経験を、後輩薬剤師や薬学生に伝えながら働いています。

    このブログでは、薬剤師として調べたことや学んだことをわかりやすくまとめていこうと思っています。

    日々の業務で、

    「自分はこの薬や病気のこと深く理解できていないぞ」

    「この服薬指導は患者さんにどう伝えたら分かりやすいかな?」

    というような場面に出くわすこともしばしばです。

    スマホをポチポチしてすぐ疑問を解決できる事もあれば、

    書籍やガイドラインを見て深掘りする事が必要なこともあります。

    時には薬剤師同士が知識を共有しあう事で知識を深めることも!

    そうした日々の学びの積み重ねは、自分の薬剤師としてのスキルアップになっていると実感する事もあります。

    『知識を一つ身につけた!』この瞬間はドラクエのレベルが上がった時のような感覚ですよね(笑)

    ただ新しい知識を得ても、悲しいかな人間は忘れてしまう生き物でもあります。

    しかも医療は日進月歩で、新しい薬や情報も次々に出てきます。

    そこで、このブログはそんな“自分の学びの記録”にしつつも、

    会社や地域という枠にとらわれず、広い範囲で“誰かの役に立つ情報”にもなればいいな、という思いで始めてみました。

    基本は自分視点というか薬剤師視点でブログを書いていきますが、

    いろんな方に「なるほど」と思っていただけるように、できるだけ丁寧に書くように心がけます。

    薬剤師に限らず、医療介護に関わる方、薬の勉強をする学生の方、薬の事を知りたい一般の方などいろんな方に読んでいただきたいですし、読んでいただいた方に何らかの貢献が出来ればと思っています。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました! よろしくお願い致します!