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  • 「はやり目」はどれくらい感染力が強い?治療や登校・出勤の目安を薬剤師がわかりやすく解説!

    「はやり目」はどれくらい感染力が強い?治療や登校・出勤の目安を薬剤師がわかりやすく解説!

    目が真っ赤に充血して、涙や目やにが止まらない。

    そんな症状が出て、はやり目と診断されたことがある人もいるかもしれません。

    はやり目は、正式には「流行性角結膜炎」と呼ばれるウイルス感染症です。

    非常に感染力が強く、家庭内や学校、職場などであっという間に広がることも。

    今回は薬剤師の視点から、はやり目を解説していきます。

    はやり目は、全年齢で発症する可能性はありますが、特に多いのは、幼児〜小学生、そして職場や介護施設などで人と接する機会の多い成人です。

    接触感染で広がりやすく、学校や職場での集団感染がしばしば見られます。

    季節的には、夏〜秋にかけて流行しやすい傾向があります。

    プールやタオルの共用などで感染が広がりやすくなるためです。

    ■ 原因

    原因は「アデノウイルス8型、19型、37型」など。

    同じアデノウイルスでも、風邪や咽頭結膜熱(プール熱)とは型が異なります。

    ■ 症状

    • 白目の充血(結膜炎)
    • 涙や目やにの増加
    • まぶたの腫れ
    • まぶしさ(羞明)
    • 目の痛みやゴロゴロ感

    多くの場合、片目から始まり、数日後にもう片方の目にも感染します。

    アレルギー性結膜炎に比べ、かゆみは少ないです。

    症状は軽度なら数日から1週間、長引いても2~3週間で治ることが多いですが、重症の場合は角膜(黒目の部分)に白い濁りが残ることもあります。これを「角膜混濁」といい、視力が一時的に低下することもあります。

    アデノウイルスに直接効く抗ウイルス薬はありません。

    そのため、治療の目的は「症状を和らげること」と「感染拡大を防ぐこと」です。

    主に使用されるのは以下のような薬です。

    薬の種類主な目的具体例
    抗菌薬点眼細菌の二次感染を防ぐレボフロキサシン点眼など
    ステロイド点眼炎症や充血を抑えるフルオロメトロン点眼など
    人工涙液乾燥や異物感の軽減ヒアレイン点眼など
    ヨード剤点眼消毒が効果的な場合もあるサンヨード点眼など

    ※ステロイド点眼は、医師の指示のもとで短期間のみ使用します。自己判断で中止しないよう注意が必要です。

    はやり目は、ウイルスが目や手指、タオルなどを介して感染します。そのため、家庭内感染を防ぐには次の対策が重要です。

    • 石けんでこまめに手洗い
    • 目を触らない、こすらない
    • タオルや枕カバー、洗顔タオルを家族と共有しない
    • 点眼薬をほかの人と共用しない
    • ドアノブやスイッチなどをアルコールや次亜塩素酸で拭く
    • 感染した人は最後にお風呂に入るようにする


    また、アデノウイルスは水中、衣類、床やテーブルの上などの環境中でも数日から数週間生存するため、掃除もこまめに行いましょう。

    アデノウィルスはアルコール消毒が効きづらく、次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒剤が有効なので、ミルトンやキッチンハイターを使うと良いでしょう。

    ・症状が強いときは、無理に外出せず休養をとりましょう。

    ・洗顔後は清潔なタオルでやさしく拭き取ること。

    ・コンタクトレンズは中止し、症状が治まるまで再装着は避けます。

    ■登園・出勤の可否

    アデノウィルスによる流行性角結膜炎(はやり目)は感染症法で第5類感染症に指定され、学校保健安全法で出席停止が定められた感染症です。

    登園や登校の再開は、医師が「感染力がなくなった」と判断してからが原則です。

    法律上は仕事を休む決まりはありませんが、感染力が強いのでお仕事をしている方は会社の就業規則を確認しましょう。

    これらの疾患はアデノウイルスが原因ですが、型が異なります。

    疾患名主な原因ウイルス主な症状発熱
    流行性角結膜炎(はやり目)アデノウィルス8、19、37型など目の充血、涙、腫れほとんどなし
    咽頭結膜熱(プール熱)アデノウィルス3、7型など目の充血+咽頭痛あり(38〜39℃)
    胃腸炎アデノウィルス31、40、41型など下痢、嘔吐、腹痛あり(37~38℃)まれに39℃以上

    アデノウィルスには50種類以上の型があり、風邪や肺炎などを起こす場合もあります。

    流行性角結膜炎(はやり目)は、アデノウイルスによる非常に感染力の強い目の病気です。

    特効薬はありませんが、清潔を保ち、拡散を防ぐことで自然に治癒します。

    家庭内感染を防ぎながら、目を休め、医師の指示に従って適切に点眼治療を行いましょう。

  • カレーだけじゃない!薬剤師が解説する“ウェルシュ菌”の意外な危険と予防法

    皆さんは、カレーを翌日に温め直して食べることはありますか?

    あの熟成された翌日のカレー、最高ですよね。

    でも実はカレーやシチューは、**食中毒の原因となる「ウェルシュ菌」**が繁殖しやすい代表的な料理と言われています。

    しかし、注意すべきなのはカレーやシチューだけなのでしょうか?

    ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は、クロストリジウム属に属する嫌気性グラム陽性桿菌です。

    嫌気性なので空気の少ない環境を好んで増殖します。特徴としては・・・

    • 芽胞(バリアのような殻)を作って熱や乾燥に強い
    • 私たちの腸内にも腸内細菌叢の構成菌として常在していることが多い(少量なら無害)
    • 土壌や下水、河川や海、ほこりなど環境中に広く存在し、肉や野菜にも付着している


    つまり「どこにでもいる菌」で、調理の過程で完全に除去するのは難しい菌なんです。

    ウェルシュ菌は芽胞を作ると、滅菌には100℃で6時間以上加熱しなければいけません。一般的な調理での加熱消毒は難しいでしょう。

    調理後に温度が下がる過程で急速に増殖します。


    ■繁殖しやすい条件は・・・

    • 温度:45〜50℃前後で最も活発
    • 環境:酸素がなかなか行き届かない粘性が高い料理(カレー、シチューなど)
    • 放置時間:2時間以上“ぬるい温度”が続くと急増


    ■ウェルシュ菌による食中毒の症状

    • 食後6〜18時間で発症
    • 主な症状:下痢・腹痛(発熱・嘔吐は少ない)
    • 多くは1〜2日で回復しますが、乳幼児や高齢者では重症化のリスクもあります。

    ■治療

    特効薬はなく、脱水に対する水分補給や整腸剤による対症療法が中心です。


    • 調理後は2時間以内に料理の中心部まで冷却
    • 小分けして浅い容器に移す(熱が逃げやすい)
    • 冷蔵庫に入れる前に氷水などで粗熱を取る
    • 食べるときは75℃以上で1分間再加熱

    ポイントは「冷ますスピード」と「再加熱」です。

    カレーなどを「夜に作って朝まで鍋のまま放置」すると、菌が増えやすくなります。

    再加熱では、芽胞を形成したウェルシュ菌は生き残りますが、芽胞を形成していないものや一部の毒素は除去することができます。

    • とろみや油分で熱がこもりやすく、冷めにくい
    • 大鍋だと冷蔵庫に入れても中心部まで冷えるのに時間がかかる
    • 空気が入りにくい“嫌気的”環境
    • カレーやシチューに含まれるタンパク質等はウェルシュ菌繁殖の栄養源となる

    これらが、まさにウェルシュ菌にとって理想の環境なんです。

    他の料理でも注意するべきです。

    以下のような料理もリスクがあります。

    料理名理由
    味噌汁具が多く、大鍋は冷めにくい
    ミートソース・煮物粘度が高く酸素が少ない
    スープカレー・ボロネーゼとろみ+肉汁+栄養で菌が生き残りやすい

    特に大量調理や作り置きでは注意が必要です。

    おでんの継ぎ足しやうなぎの秘伝のタレも一見リスクが高そうですが、毎日しっかり加熱殺菌している場合や塩分濃度がウェルシュ菌繁殖に適さない場合は比較的安全とされています。

    ただし、加熱不足や途中で温度が下がる時間が長いと、

    やはり芽胞菌が残って増殖する可能性があります。

    老舗の店舗では「毎日必ず沸騰させる」「鍋を空にして洗浄後に再仕込み」など、厳格な衛生管理がされています。

    現代では保健所の衛生基準も厳しく、毎日すべてのだし汁を継ぎ足すようなリスクが高い事をするお店があるとは考えずらいですね。

    • ウェルシュ菌は「どこにでもいる」嫌気性の芽胞形成菌
    • 40〜50℃で長時間放置すると爆発的に増殖
    • カレーやシチューは特に注意!
    • 予防は「小分け・急冷・再加熱」が基本
    • 継ぎ足し料理も加熱管理が重要

    古くなった食品の匂いを確認した後に、「大丈夫!!」と言って食べてしまう人もいます。犬じゃないんだからね(笑)

    ただ、ウェルシュ菌が増殖してしまった食べ物は、匂いや見た目ではほとんど判断できないので、作り置きをする場合は温度・衛生管理に注意しましょう。

  • 【薬剤師が解説】飲酒のメリット・デメリット 〜楽しくお酒と付き合うために〜

    【薬剤師が解説】飲酒のメリット・デメリット 〜楽しくお酒と付き合うために〜

    皆さん、お酒は好きですか?

    私も人並みにお酒が好きで、仕事終わりに軽く晩酌をするのが日課になっています。

    お酒を飲む時間はリラックスできて、食事もおいしく感じられるひとときですよね。

    ただ、薬剤師として日々患者さんと接していると、「飲みすぎて体調を崩した」「薬と一緒に飲んでしまった」など、飲酒にまつわるトラブルも少なくありません。

    今日は、**薬剤師の視点から見た「飲酒のメリットとデメリット」**をわかりやすく整理してみたいと思います。

    ① 心身のリラックス効果・食事の楽しみ

    適度な飲酒はリラックス効果をもたらします。

    また、アルコールが中枢神経を軽く抑制することで緊張がほぐれ、会話や食事の時間がより楽しく感じられます。

    ② 血流改善・末梢血管拡張作用

    アルコールには末梢血管を拡張する作用があり、一時的に血流を改善します。

    そのため、体が温まったように感じるのはこの作用によるものです。

    ③ HDL(善玉)コレステロールの増加

    少量の飲酒はHDLコレステロールを増やし、動脈硬化を抑える可能性があると報告されています。

    ただし、「少量」がポイントで、過剰摂取は逆効果になります。

    ④ コミュニケーションの潤滑油

    適度な飲酒は、緊張を和らげ、会話をスムーズにしてくれます。

    仕事の場や家庭での交流を深めるきっかけになることもありますね。

    ① 肝臓への負担

    アルコールは肝臓で代謝されるため、過剰な飲酒は脂肪肝、肝炎、肝硬変へと進行するリスクを高めます。

    肝機能障害を持つ方や、肝臓で代謝される薬を服用している方は特に注意が必要です。

    ② 高血圧・心筋症・不整脈のリスク

    アルコールは交感神経を刺激し、血圧を上昇させます。

    慢性的な飲酒は、アルコール性心筋症や不整脈(特に心房細動)を引き起こす原因になることもあります。

    ③ 睡眠の質低下

    寝酒は寝つきを良くするように感じますが、実際はレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが変化し、睡眠の質を悪化させます。

    結果として「夜中に目が覚めやすい」「翌朝疲れが取れない」といった症状が出やすくなります。

    ④ 脱水・電解質異常

    アルコールは抗利尿ホルモンであるバソプレシン(ADH)の分泌を抑えるため、尿量が増えます。

    水分やミネラルが失われ、脱水や電解質異常(特にNa・K・Mgの低下)を招くことがあります。脱水が進むと血液がドロドロになり、より血管や心臓に負担がかかります。

    ⑤ 薬との相互作用

    アルコールは多くの薬と相互作用します。

    睡眠薬、抗不安薬、抗ヒスタミン薬などは、アルコールと併用すると中枢神経抑制が強まり、転倒や意識障害のリスクが高まります。

    肝代謝系(CYP酵素)を介する薬物にも影響を与えるため、服薬中の方は特に注意が必要です。

    ⑥ 脳への影響・認知機能低下・依存

    慢性的な飲酒は脳細胞の萎縮を引き起こし、記憶力や判断力の低下につながります。

    また、脳内の報酬系に作用することで依存が形成されやすくなり、「やめたいのにやめられない」状態になることもあります。

    ⑦ 筋肉の分解

    アルコールは筋肉に関するホルモンにも影響します。筋肉を分解促進するコルチゾールを増やし、筋肉の成長を助けるテストステロンを減少させます。

    そのため、トレーニング直後の飲酒は筋肥大を妨げ、慢性的な飲酒は筋力低下の原因になります。

    お酒には、リラックス効果やコミュニケーションの促進など、良い面も確かにあります。

    しかし、健康面で見ればデメリットの方が多いのも事実です。

    それでも……つい飲んでしまうんですよね。

    芸能人がやらかしたニュースでもよく見ますが、人が何か失敗する時って結構な確率でお酒が絡むことも・・・

    私も皆さんも、飲みすぎには注意して、上手にお酒と付き合っていきましょうね。

  • 薬剤師ブログはじめます!!

    はじめまして!薬剤師の郷ツトム(HN)と申します!

    このたび、薬剤師ブログはじめることにしました!!

    私は薬剤師歴10年ほど。新卒からずっと薬局薬剤師として働いてきました。

    一般薬剤師→管理薬剤師を経験し、現在は複数店舗でエリアマネージャーとして勤務しながら、本社での業務や社員研修などにも携わっています。

    薬学生時代から私の心に刻まれた、薬剤師綱領・薬剤師行動規範のこの文言・・・

    薬剤師は、生涯にわたり知識と技能の水準を維持及び向上するよう研鑚するとともに、先人の業績に敬意を払い、また後進の育成に努める。

    私はこの言葉を薬剤師として働くうえで1つの軸としており、

    自身の学びや経験を、後輩薬剤師や薬学生に伝えながら働いています。

    このブログでは、薬剤師として調べたことや学んだことをわかりやすくまとめていこうと思っています。

    日々の業務で、

    「自分はこの薬や病気のこと深く理解できていないぞ」

    「この服薬指導は患者さんにどう伝えたら分かりやすいかな?」

    というような場面に出くわすこともしばしばです。

    スマホをポチポチしてすぐ疑問を解決できる事もあれば、

    書籍やガイドラインを見て深掘りする事が必要なこともあります。

    時には薬剤師同士が知識を共有しあう事で知識を深めることも!

    そうした日々の学びの積み重ねは、自分の薬剤師としてのスキルアップになっていると実感する事もあります。

    『知識を一つ身につけた!』この瞬間はドラクエのレベルが上がった時のような感覚ですよね(笑)

    ただ新しい知識を得ても、悲しいかな人間は忘れてしまう生き物でもあります。

    しかも医療は日進月歩で、新しい薬や情報も次々に出てきます。

    そこで、このブログはそんな“自分の学びの記録”にしつつも、

    会社や地域という枠にとらわれず、広い範囲で“誰かの役に立つ情報”にもなればいいな、という思いで始めてみました。

    基本は自分視点というか薬剤師視点でブログを書いていきますが、

    いろんな方に「なるほど」と思っていただけるように、できるだけ丁寧に書くように心がけます。

    薬剤師に限らず、医療介護に関わる方、薬の勉強をする学生の方、薬の事を知りたい一般の方などいろんな方に読んでいただきたいですし、読んでいただいた方に何らかの貢献が出来ればと思っています。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました! よろしくお願い致します!